(読売 4月30日)
起業家を次々と生む、慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)。
高校生向けキャリア教育プログラムを提供する
NPO「カタリバ」代表の今村久美さん(30)(9期生)は、
「在学中、起業家教育は受けていない」
昨夏、日本社会を変革する若者として、
米タイム誌アジア版の表紙を飾った社会起業家。
「ただ、SFCには仕掛けがある」
問題発見解決型の人材を育てるという徹底した教育方針、
学生に課題解決策を考えさせる授業スタイル、
様々なプロジェクトを通した先輩や学外者との
コミュニケーションの三つ。
1年時、プロジェクト型授業で、ドラマ「北の国から」の
ドキュメンタリーを作ろうとした。
主演の田中邦衛さんや脚本の倉本聰さんにも取材したのに、
完成できなかった。
「今も、申し訳ない気持ちでいっぱい。
でも、失敗体験が勉強になった。
学生に何でも挑戦させよう、という敷居の低さがある。
SFCには、居場所と出番がある」
高校までは、「出るくいは打たれる世界。
普通の試験では、入試を突破できない学力だった」
面接重視で、複数回受験機会のあるAO入試に、
2度目の挑戦で合格。
「SFCでは、出るくいにたくさん出会えた。
他大学に進んだ友人が、『大学はつまらない』と言うのが
信じられなかった。
SFCのような場を、ほかの人にも経験してほしい」
そんな思いが、高校生が大学生と語り合う場づくりに向かわせた。
「キャンパスでは、『いま何してる?』が合言葉。
答えられないと、『つまらないやつ』と言われる環境でした」
病児保育の事業モデルを作ったNPOフローレンス代表の
駒崎弘樹さん(30)(10期生)は、米ニューズウィーク誌の
「世界を変える社会起業家100人」に紹介。
2年時の就業体験で、経営の面白さに目覚め、
3年時、学生たちが起業したIT会社の社長に。
ベビーシッターをしている母親から、子どもが熱を出して
仕事を休んで解雇された利用者の話を聞き、病児保育に転身。
「SFCと出会わなかったたら、ITベンチャー経営もあり得なかったし、
NPOで生きていくなんて、考えもしなかった。
自分のやりたいことをやっているやつが一番強い、
という価値観を支えてもらった」
「楽天を作った本城慎之介さんを見て、
ITベンチャーをやろうと思ったし、
彼が中学校の校長になったのを見て、
人生に多様なチャンスがあると勇気づけられた。
そんな挑戦の連鎖と挑戦をたたえる空気が、SFCのDNA」
ともに、「生まれ変わっても、SFCに進学する」
卒業生からの評価は、大学の確かな評価だろう。
◆社会起業家
社会の課題解決を目的に事業を起こし、
社会貢献とビジネスの両立を目指す人。
業態は、株式会社やNPO法人など様々。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100430-OYT8T00218.htm
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