(読売 4月29日)
慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に今月、
携帯電話各社が臨時店舗を出した。
高機能携帯電話(スマートフォン)を、新入生に買ってもらうため。
「20年前、SFCに入った学生たちは、
いち早くインターネットを体験できた。
まだ使い道が限られるスマートフォンも、多くの学生たちが
手にして学べば、可能性が広がる」と、
環境情報学部の中沢仁講師(34)(5期生)。
学内で、スマートフォン向けソフトのプログラミング講座や
プログラミングコンテストの開催も検討。
中沢さんらは、必要な時、その場で最も必要な教材が使える
学習支援システムを作ろうとしている。
ドイツ語学習者が、ドイツでバスに乗ろうとする時。
衛星を使った位置情報やカメラを使った周辺の映像を通し、
学習者の行動を把握し、バスに乗る時の会話やビデオ、
例文集などの教材を、自動的にスマートフォンのような端末に配信。
こんな環境が出来れば、大学での学びは激変する。
ネット上に、140字以内で「つぶやき」を投稿するツイッターも、
SFCではいち早く、授業で活用。
弁理士の松倉秀実教授(54)による
「知的財産権とビジネスモデル」はその一つ。
昨年12月、カメラの手ぶれ補正技術などで著名な
パナソニックの発明王、大嶋光昭さんをゲスト。
その苦労話に、パソコンや携帯端末を開いて授業を受ける学生から、
ツイッターで、共感のつぶやきが続いた。
「ツイッターを使ったビジネスを考えてみたい」と受講者の一人。
昨秋、教員の発言のポイントや感想などの「つぶやき」を、
授業ごとに整理する「sfcnote」を発案したのは、
今春、環境情報学部を卒業した林健太さん(25)。
つぶやきをまとめると、授業のノートができる。
「全くの部外者が、議論に加わるのが面白かった。
他大学の学生からも、すぐ反応があった」。
2か月間、64回分の授業に、2800を超えるつぶやきが集まった。
一番つぶやきの多い授業もわかる。
「手を挙げて発言すればいい」、
「講義での発言の一部が切り取られるのが怖い」、
「授業の改善に役立つ」、
「もっと挑戦していい」と、教員の声も様々。
日本のインターネットの基礎を作り、IT業界に人材を送り続ける
村井純・環境情報学部長(55)は、
「こういうものをすぐ作るのが、SFCらしさ」と目を細める。
新しいIT技術を使った授業には、他大学も取り組んでいる。
20年前と差は縮まったが、先進的なIT教育を続けてきたSFCには、
少なくとも一日の長がある。
◆スマートフォン
パソコンのように、好きなソフトが取り込める。
日本では、iPhoneの発売(2008年)で注目が集まった。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100429-OYT8T00245.htm
0 件のコメント:
コメントを投稿