2010年5月9日日曜日

女性の体、50代で寸胴に ヒップは個人差、バスト下垂早く

(2010年4月29日 毎日新聞社)

年を重ねるにつれ、起こる体形の変化は、
誰もが気になるところ。
大手下着メーカー「ワコール」(京都市)が、
日本人女性の人体計測データを45年にわたり収集、分析した結果、
加齢による変化には法則があることが分かった。
その傾向と対策は?

同社は、約4万人分のデータを集め、今回の調査ではその中から
1950年代生まれ(現在50~60歳)の女性約1800人分を抽出。
10代後半から50代前半までの計測結果の平均値を、年代別にグラフ化。

体重やヒップ、ウエスト、太もも回りなどの数値は、
いずれも20代後半が最も少なく、その後は次第に太くなる。
ウエストとおなか回りの変化が最も大きく、
50代前半では20代後半よりウエストが10cm太く、
おなか回りはバストと同じに。

30年間の計測結果がある100人分のシルエット(輪郭線)を使い、
加齢に伴い、体形がどのように変わっていくかを調べた。
同社人間科学研究所の上家倫子研究員は、
「変化が始まる年齢は、個人差がみられるが、
すべての人が同じ順序で変わっていた」

一定の法則とはこうだ。
ヒップの場合、若い時は横から見て半円形だったのが、
(1)下部がたわむ→(2)頂点が下がり、後ろから見ると
全体的に四角くなる→(3)外側の肉が落ちて中央部分に流れる。

バストは、(1)脇側上部の肉が落ちる→
(2)下部がたわみ乳頭が下向きになる→
(3)全体的に外側に流れて下がる。

共通するのは、いったん変化が進むと、元には戻らない。
「ヒップは、40代でも変化しない人がいた。
バストは、20代で下垂が始まっている人もいて、
ヒップより変化しやすい傾向」
この法則は、他の年代の人にも当てはまる。

京都府立医科大の河田光博教授(解剖学・神経内分泌学)によると、
乳房が下がる仕組みは、乳房をつるように支えている
「乳腺提靱帯」と呼ばれる組織が、外からの刺激を受け続けて
伸びてしまったり、脂肪が増えて柔らかくなり下垂する。

河田教授は、「乳腺提靱帯は、筋肉のように鍛えて強化することは難しい。
乳房の揺れなどによる長期間の刺激が、ダメージを与える可能性も」
間壁治子・共立女子大名誉教授(被服人間科学)は、
「乳房にストレスをかけないため、試着をして自分にあった
下着を選ぶことが大切」

◇若さ保つコツは健康的生活

では、体形の変化を少しでも抑えるには、どうしたらよいか?
今回の調査結果では、50代になっても20代のころの体形を
維持している人が4分の1いた。
体形を維持した人のグループ(12人)と、平均的な体形変化が
あった人のグループ(16人)に分け、
血液検査、体力測定、生活習慣などを調べた。

その結果、若いころの体形を維持している人の方が
体脂肪が少なく、筋力や持久力があった。
睡眠も十分で、生活習慣病やその恐れがある人もいなかった。
聞き取りしたところ、「体重を毎日チェックしている」、
「なるべく階段を利用し、歩く姿勢や歩き方に気をつけている」
規則正しく、バランスのよい食事を心がけている点も共通。

上家さんは、「特別な運動をしているという印象はなく、
日常生活でよく動くように意識している。
若々しさを維持するうえで参考になる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/30/119657/

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