2010年5月12日水曜日

スポーツ立国第1部 支援(7)予算増 迫られる結果

(読売 5月2日)

昨年12月25日。
国の2010年度予算案が発表、JOCには安堵の雰囲気。
「これくらいの削減なら、何とかなる」

事業仕分けで「縮減」と判定されながら、JOCへの補助金が
約26億円と4%減で済んだのは、「想定内」。

国内の競技団体を統括し、トップ選手の強化を進める
JOCへの支援は、国やスポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)など
多岐にわたる。
その使い道は、自由ではない。

totoからの助成金は、ジュニア選手の育成に
充てなければいけないなどの制約。
「すべての収入を一括管理して、競技団体に分配すれば、
これまで以上に効果的に活用できる」、
JOC専務理事の市原則之。

JOCが、競技団体と密接に連絡を取り、強化に必要な部分を
精査し、予算を割り振れば、効果は上がる。

今年度のスポーツ関連予算は違う。
JOCに補助金を渡し、選手の強化を任せる形ではない。

注目されるのは、3億円から18億円と6倍に増えた
文部科学省の「マルチ・サポート事業」。

メダル獲得が有力な競技・種目の情報収集や
医科学・栄養学の活用、トレーニング方法の開発などを支援。
支援するかどうかは、文科省が独自に検討、判断。

有望な中学生を集めて集中的に強化する
JOCの目玉事業「エリートアカデミー」に対する支援も、
国の姿勢が見て取れる。
この事業は、主にtotoの財源が充てられている。

文科省は、「ジュニアエリート支援プログラム」として、
親元を離れて生活する中学生の心のケアなどを目的に、
約2000万円を別枠で用意。

予算削減が叫ばれる中、
文科省は今年度のスポーツ関連予算の総額を、
過去最高の約227億円に増やした。

スポーツそのものには理解を示す一方、
JOC、日本体育協会への補助金は減らす。
強化、育成を関連団体に任せず、国主導で行う――。

今後、スポーツ基本法の制定、スポーツ庁の設立が実現すれば、
この流れは加速していく。

スポーツ関連予算について、
「民主党政権が、前政権との色の違いをアピールしたいのだろう」
という意地悪な見方もあるが、支援が手厚くなったのは事実。

JOCや競技団体が、国を説得できる新たな強化、育成案を示し、
結果を残せるか。
重い“宿題”が提示された。

http://www.yomiuri.co.jp/sports/feature/rikkoku/ri20100502_01.htm

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