(読売 6月24日)
「好きな歴史上の人物について調べてみよう」
栃木県小山市の同市立中央図書館。
会議室に集まった児童20人に、講師の男性司書が指示。
今年度から同市で始まった
「元気アップ子ども司書養成セミナー」の一コマ。
対象は、市内の5、6年生。
本の分類やパソコンによる検索などを覚えるほか、
絵本の読み聞かせ、窓口での貸し出し・返却なども実習。
5~10月の10回講座のうち、8講座以上に出席、
読んでほしい本の紹介文や講座の感想文など課題を提出すれば、
子ども司書に認定される。
菊地きよ子館長(61)は、「読書活動のリーダーに育て、
あまり読まない子に、読書の楽しさを伝えてもらうのが狙い」
3回目となるこの日のテーマは、「上手な本の使い方」
数人ずつのグループに分かれた児童たちは、
好きな歴史上の人物について、日本十進分類法(NDC)で、
どの分類に当たるかを調べた。
次に、その人物の名前を検索端末に打ち込んで蔵書をチェック。
分類番号に照らしながら本棚で本を探し、見つけた本で、
その人物の生年月日や没年を調べてワークシートに記入、
最後にグループの代表者がみんなの前で発表。
「資料を探すイロハを身につけるのが目標。
これができれば、調べ学習や大学に入ってからの
卒業論文もこわくないよ」、
講師を務めた同館司書の渡会充訓さん(40)。
大好きな坂本龍馬について調べた5年の大西里奈さん(10)は、
「本の探し方のいい勉強になりました。
調べ学習の宿題にもいかせそうです」と笑顔。
子ども司書の養成は、全国からの寄付で蔵書を集めた
福島県矢祭町の「矢祭もったいない図書館」が先駆け、
小山市はそれに続いた形。
背景には、本を読む子とそうでない子が二極化している現状。
2009年度の全国学力テストに合わせて実施された
生活習慣調査によると、1日の読書時間が「30分以上」の
児童は35%。
「10分未満」は39%、そのうち「ゼロ」は22%。
子どもから子どもへ、読書の喜びを伝えていく。
読書離れに歯止めがかかった時、学力向上の基礎が固まる。
◆日本十進分類法(NDC)
あらゆる知識を0~9の10分野に分け、各分野を10の区分に
細分化して分類する仕組み。
例えば「211」は、「2歴史」、「1日本」、「1北海道」、
北海道の歴史を表す。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100624-OYT8T00189.htm
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