(2010年6月29日 毎日新聞社)
京都大大学院の武藤誠教授(遺伝薬理学)らのグループが、
がんの中でも数が多い大腸から肝臓への転移の仕組みを、
マウス実験で解明、転移を防ぐ薬を見つけた。
米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載。
大腸から肝臓へは、多くの血液が流れ込むため、
がんが転移するケースが多い。
グループは、大腸がんを転移させたマウスの肝臓を観察。
がん細胞が分泌する「ケモカイン」というたんぱく質が、
周辺の組織を破壊する酵素を出す免疫系細胞の一種
「未分化骨髄球」を引き寄せ、転移を促していることを突き止めた。
骨髄球が、ケモカインと結合する受容体を持たない
遺伝子改変マウスでは、転移が抑制されたため、
グループは多発性硬化症の治療を目指して開発された
受容体阻害薬をがんが転移したマウスに投与。
その結果、転移が抑えられ、約2倍長生きできることを確認。
武藤教授は、「今回の薬は、人間に副作用が少なく、
新たな治療法の開発につながる可能性がある」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/29/122224/
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