2010年7月7日水曜日

広域観光に手応え きらめき大学 3学部連携で気仙探訪

(東海新報 7月2日)

ケセンきらめき大学(田村満学長)は、3学部連携の
「気仙見どころ探訪」を実施。
陸前高田市矢作町から住田町の種山に抜けるコースで、
広域観光の設定に手応えを感じていた。

官民問わない気仙3市町有志で組織する同大学。
観光と食文化、地元学の3学部協力による初の催しとなった
探訪には、山口康文副学長はじめ各学部長と部員ら7人が参加。
大学事務局のある東海新報社前から2台の車に分乗、
旧高田町役場に立ち寄った。

本丸公園入り口にある建物は、昭和25年の建設。
廃屋で解体の運命にあったが、レトロな景観を惜しんで
観光学部の冨山勝敏副学部長が取得して活用を図る。

冨山副学部長から、今後の活用計画などを聞いた一行は
この後、矢作町内の仙婆岩、大滝・小滝、白糸の滝、閑薫院、
「岩手の名水」清水の湧口、ホロタイの里を順次見学。
原台山腹を抜けて、住田町世田米に入り、
種山高原まで足を延ばした。

現地では、観光学部の新沼岳志学部長が案内役を務め、
仙婆岩では意地悪な母親の伝説を紹介。
「跡継ぎを決めるため、自分の子は真綿で大切にくるみ、
継子は茅でくるんで投げ落としたが、助かるはずの実子は死んで
継子は助かったことから、母親はその後改心したという話と、
ショックで自分も岩の上から身を投げたという二つの話が伝わる」

大滝・小滝や白糸の滝では、木々の緑の中の風情を堪能。
閑薫院では、元和4年(1618)に悪疫退散を祈願、
21日間の断食後に入寂した閑薫院宥健法印の足跡を偲び、
六角堂の扇垂木など気仙匠の技も見学。

種山の遊林ランドでは、現前に広がる高原を眺めながら
名物のジンギスカン料理を味わい、特に地元特産ウインナーには
参加者全員が「おいしい」を連発。

今回の探訪は、観光学部が進める
気仙の周遊コース設定事業の一環。
食文化学部が地産の「食」で、地元学部が歴史や伝承で
肉付けしようと、隠れた見どころをチェック。

探訪の感想では、「せっかく美しい景観や面白い伝説があるのに、
案内板や説明が不足」、
「矢作から種山に抜けるだけで1日コース。
ガイドが付けば、気仙観光は2日でも3日でも滞在できる奥行きがある」、
「食事や土産品には、もっと地産地消にこだわりたい」などと総括。
今後もコースを変えながら、広域観光のあり方を探る。

http://www.tohkaishimpo.com/

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