(2010年6月30日 Japan Medicine(じほう))
4月に発足した日本プライマリ・ケア連合学会は、
初の学術大会を東京国際フォーラムで開いた。
前沢政次・学会理事長(北海道大名誉教授)は、
家庭医の育成に関する長期的な課題として、
<1>プライマリ・ケア医科大学の設立、
<2>家庭医・総合医に対する新しい保険制度の試用-を提唱。
プライマリ・ケア医科大学の設立について、
前沢理事長は、「既存の大学による定員増や地域枠設置で
良い芽が出てきているが、みんな(医師育成に)悪戦苦闘。
若い人たちが、プライマリ・ケアの充実のため
頑張ろうとしているので、この力を結集して、大学をつくれるよう、
文部科学省や厚生労働省に訴えていってはどうか」
新しい保険制度の試用について、学会が現在模索している
専門医・認定医制度を念頭に、
「新しい家庭医、総合医、病院総合医に限って、
新しい保険制度を試してみてはどうか。
(この発言が)日本医師会からおしかりを受けるのは
重々承知しているが、新しく何かを変えていかなくてはならない」
この提唱の前、前沢理事長は現在の医療保険制度に
懐疑的な見方を示し、「医療保険の出来高払いで
日本は進んできたが、本当にこのままでいいのか。
医療費抑制策で診療報酬を縛ろうとすると、
(医療関係者は)あの手この手で抜け道を探る。
医療費を抑制しようとすると、かえって医療費が上がってしまう、
というパラドックスが成り立っているのかも」
前沢理事長は、「(地域医療の担い手を育てる)自治医科大学では、
専門医が中心になって学生を教えている。
プライマリ・ケアを実際に手掛けている人が、中心になって教える
大学があってもいいのでは」、
医師養成機関を新たに設けることに肯定的。
初の学術大会開催について、
「3つの学会がまとまるのは大変だという思いがあったが、
学術大会には学生や研修医など若い人の参加が目立ち、
上の世代に良い刺激になったのでは。
若い人たちに世代交代していく中、地域医療を支えるモデルも
変えていきたい」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/30/122275/
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