2010年7月5日月曜日

子供の死、アフリカに集中 栄養不足やエイズまん延

(2010年6月28日 共同通信社)

主要国(G8)首脳会議(ムスコカ・サミット)で、
議長国カナダが重要課題に掲げる「母子保健」の分野で、
アフリカは深刻な状況に。

国連児童基金(ユニセフ)によると、5歳未満で死亡する
乳幼児の半数は、サハラ砂漠以南のアフリカに集中。
栄養不足やエイズ、マラリアのまん延、医療従事者の不足などが背景、
貧困が妊婦や子供の命を奪っている。

「ここでは人命があまりにも軽い」
タンザニア西部の病院で、助産師として活動する
清水範子さん(33)の実感。

ある日、赤ちゃんが呼吸不全に陥った。
自動的に酸素を送る装置はなく、手動の機器を用いた。
手動では限界があり、赤ちゃんは死んでしまった。
「死をみとりにアフリカに来たのか」と自問自答する日々が続く。

ユニセフによると、5歳未満で死亡する乳幼児は、
千人当たりで日本では4人(2008年)、
サハラ砂漠以南のアフリカでは144人。
アフリカ南部のアンゴラでは220人、
ほぼ4人に1人が5歳の誕生日を迎えることができない。

サハラ砂漠以南のアフリカ全体で5歳未満の死亡率は、
1990~08年までの18年間で、184人から144人に減少。
南アジアや中南米・カリブ海諸国など他地域では、
これを上回るペースで死亡率が減少、
アフリカの立ち遅れが際立っている。

アフリカでは、農村の貧しい住民には車などの交通手段がなく、
病気になっても医療機関にたどり着けないことが多い。
医療施設になんとか行き着いても、
充実した医療はなかなか期待できない。

00年に採択、15年までに貧困人口半減など8分野での
目標達成を目指す「国連ミレニアム開発目標(MDGs)」
10年版年次報告書は、アフリカなどでの改善が大幅に遅れ、
このままでは「多くの目標が達成できない」と指摘。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/6/28/122141/

0 件のコメント: