(2009年4月8日 共同通信社)
ジョギング人気が高まる中、十分な準備をせずにフルマラソンに
挑戦するランナーが増えている。
東京マラソンでは、タレント松村邦洋さん(41)が急性心筋梗塞を起こし、
心肺停止状態に陥った。
松村さんの蘇生にかかわった埼玉医大総合医療センターの
大貫学医師(48)は、「ろくに練習もせず、たまたま抽選に当たり参加した人も。
ジョギングの延長と安易に考えず、フルマラソンには命の危険があることを
意識してほしい」と警鐘。
東京マラソンが開かれた3月22日、テレビ番組の企画で出場した松村さんは、
15キロ地点の手前で立ち止まり後方に転倒。
意識を失い、口から泡を吹いた状態。
ドクターランナーとしてたまたま近くを走っていた大貫医師らは、
心肺停止を確認。
駆け付けた救急救命士が自動体外式除細動器(AED)を使い、
2回目の電気ショックで心拍を再開。
「1分以内に蘇生術を施せたから助かった。
医療スタッフが少ない小規模な大会だったら、助からなかった」
当日、約50人のドクターランナーと連携して伴走し、
様子がおかしい100人以上のランナーに声を掛けた。
「胸が苦しいと訴えた人も数人いた。段階的な練習や健康診断など、
必要な準備をしていない人が多かったのではないか」
松村さんは、フルマラソンの完走経験があり、
昨年の東京マラソンは35キロ付近でリタイア。
「仕事の合間に週に4、5日、皇居周辺を走っていたので、
過信して速いペースで飛ばしてしまった。
心臓が弱っていたと、後で医師から聞かされた」
松村さんが出演する番組を企画した東京メトロポリタンテレビジョン
(東京MXテレビ)は、「企画に無理があったとは考えていないが検証したい」
▽東京マラソン
2007年に始まった、国内最大規模の市民参加型シティマラソン。
国内外の一流ランナーも参加し、東京都心を走る。
今年は、フルマラソンと10キロの部で計約26万人が申し込み、
抽選の結果、約3万5000人が走った。
フルマラソンには約3万人が参加、完走率は約97%。
20人が救急搬送。
運営には、約1万3000人のボランティアが協力、
約500人の医療スタッフも配置。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/4/8/95020/
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