2009年4月13日月曜日

米モビシモ・コムのタルカCEO「クラウドで世界の旅行情報共有」

(日経 4月3日)

クラウドコンピューティングは、ITを活用するベンチャー企業を中心に
需要が高まっている。
「Web2.0」で広まったネット上での情報共有がしやすい。

世界8カ国を対象に、旅行サイトを展開する米モビシモ・コムの
ビートリス・タルカ最高経営責任者(CEO)に、ネットビジネスへの影響を聞いた。

——ネット上の旅行会社は数多くあるが。

「旅行サイトといえば、『エクスペディア』や『トラベロシティ』、
日本では『楽天トラベル』など大手が存在。
彼らのサイトの多くは、ネット上でのチケット販売が目的。
我々のビジネスモデルは、自らチケットを売るのではなく、
航空会社や格安チケットサイトなど世界の192ものサイトから情報を集め、
利用者が検索できるようにしている」

「創業は2003年で、モビシモという社名は移動を表す『モバイル』と、
イタリア語で1番を意味する『イシモ』の造語。
旅行に関する1番の情報データベースを目指している。
英語のサイトから始め、現在はフランス語やスペイン語など
8カ国向けのサイトがあり、世界で約500万人が利用」

——クラウド技術の広がりはどんな影響をもたらしたといえるか?

「ネット上の様々な旅行サイトが情報をオープンにしてくれたおかげで、
我々は検索ロボットを走らせれば、大量の情報を収集できる。
航空会社など最初、『勝手に情報をとっていく』と否定的だったが、
途中から友好的になり、広告も出してくれる。
大手のネット代理店のように、チケット販売の手数料を払わなくてよく、
顧客を自社のサイトに直接連れてきてくれることに気付いた」

「利用者も、仲間と簡単に情報を共有できる。
旅行者同士が情報交換できるSNSの『モビ・フレンズ』を設けた。
写真や旅行記などを共有できる『モビ・シェア』というサイトも加えた。
旅行情報に関するネット上の仲間づくりを、
『トラベル2.0』とか『トラベル3.0』と呼んでいる

——収入はどんな形で得ているのか?

基本は広告モデル。
一般的なバナー広告に加え、検索結果から各社のサイトに
案内した場合に料金をもらう形も。
チケットが売れた場合の手数料の分配。
自らチケットを仕入れて売るわけではないのでリスクがなく、
スタート当初から十分、利益を出せる構造に。
我々の成長性に目をつけ、ベンチャーキャピタルの英インデックスなども出資」

——近く、日本にも進出を狙っているとか。

「進出といっても、拠点を置くわけではなく、サンフランシスコ本社から
各国向けにすべての情報を提供。
これが、クラウドの素晴らしいところ。
8カ国といっても、言葉が読めれば誰でも使え、
実際には世界中からアクセスがある」

「日本からも毎月80万件の閲覧があり、新たに日本人スタッフを採用し、
日本語サイトを設けることに。
日本の航空会社や旅行サイトとも協業の話を進めている。
今まで欧米が中心だったが、日本向けサイトができれば、
インドに次ぐアジアで2番目のサイトに」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090402.html

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