2009年11月16日月曜日

スポーツ政策を考える:間野義之さん 民間の活力導入せよ

(毎日 10月24日)

◇早稲田大教授(スポーツ政策論)間野義之さん

日本のスポーツ政策は遅れている。
科学的なエビデンス(根拠)を欠いたまま、
自民党や民主党も含め、みんな印象や経験でものを言っている。
スポーツが医療費削減につながるというが、
データは少なく、実証されていない。
スポーツをすると、どういう効果があるのか、
エビデンスに基づいたスポーツ政策が求められている。

アンケートをとると、成人の4割から5割が、
スポーツをしたいができない、と回答。
早稲田スポーツビジネス研究所の調査では、
GDP(国内総生産)に占めるスポーツ産業の割合が、
日本は他の先進国に比べて低い。
2003年は約9・6兆円、約1・9%。
国民のニーズがあるにもかかわらず、サービスが不足。

音楽や芸術、旅行、カラオケなど、他の娯楽との競争に勝つために、
どうやって民間企業の活力を導入していくか。
ニュー・パブリック・マネジメントという考え方に立てば、
国民にとっていいことで国民が望むのであれば、
民間企業のように国民を顧客ととらえ、効率的で質の高い
サービスを提供して、国民の満足度を向上させていく。
その一つが、公共スポーツ施設の管理運営を民間に任せること。

スポーツには三つの間、時間、空間、仲間が必要。
時間が限られている中で、空間と仲間をどうやって整備していくか。
空間と仲間をマネジメントできる人材の養成が急務。
日本体育協会や日本サッカー協会が取り組んでいるが、
合わせても年間60人程度。
2010年までに、全市区町村に総合型地域スポーツクラブを作る、
という文部科学省の目標に対し、圧倒的に足りない。
早期に大量に育成するのが政策課題。

昨年1年間留学した英国では、スポーツは生活に根付き、習慣化。
今の日本では、草の根から自発的に生まれてくるのを
待つ余裕はないし、条件も整っていない。
国がある程度、おぜん立てをしないといけない。
その場合、国の持ち出しは施設整備などハード中心にして、
運営は住民が自主自立で行うのが良い。

愛知県半田市の成岩スポーツクラブのように、
公共施設を活動拠点にして、NPO法人格を持った
総合型クラブが自主自立の運営をする。
そこから将来トップアスリートが誕生する。
そんなケースを増やしていく。
校庭の芝生化も大事だが、ばらまきではなく、
効果が検証されたモデルに対して重点支援する。
それを見て、隣の校区や市町村がほしいと思うようなものを
作ることが大事。
==============
◇まの・よしゆき

1963年生まれ。横浜国立大卒業後、東大大学院修士課程、
91年、三菱総合研究所入社。2002年から早大へ。
文科省、地方自治体、競技団体の委員や理事。
著書「公共スポーツ施設のマネジメント」など。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091024dde035070021000c.html

0 件のコメント: