(読売 11月7日)
カエル解剖などを体験し、動物と生きる将来を考える
子どもや若者がいる。
「心臓がぴくぴくしている」、
「これが肝臓、これが胃、黄色いのは脂肪だね。よく観察してごらん」、
「あ、動いた、ごめーん」、
「それは脊髄反射だよ」
静岡大学理学部で行われた「動物実習体験」で、
公募で集まった中高生ら男女20人が、
アフリカツメガエルの解剖に挑戦。
1日体験は、日本動物学会の特別企画。
実際に動物に触り、組織標本などを観察し、先端の研究を行う
大学の雰囲気も味わってもらうのが狙い。
同理学部修士1年の佐藤脩示さん(23)ら学生14人がそばに控え、
説明や指導を担当。
中高生らはカエルの解剖のほか、ウサギやラット、マウスなどの
実験動物を観察したり、電子顕微鏡で細胞を見たりした。
中学2年の水沢雅子さん(13)は、「実験のため、
動物が犠牲になるのに罪の意識はあるけれど、
今の医療、今の生活が成り立つためと思う」
「電子顕微鏡で、細かいリボソームまで見えたのはすごい。
将来は獣医師などの道に進みたい」、高校2年の角田真帆さん(17)。
加藤学園暁秀高校の久保田真教頭(59)は、
「学校ではなかなかできない貴重な機会」
田中滋康・同大教授(58)は、「興味を持ってもらい、
将来の研究者が育つとうれしい」と期待。
同学会は、全国大会の際、
高校生の生物研究ポスター発表を実施。
岩手、熊本、新潟、岡山などから20校の生徒が、研究成果を説明。
カタツムリの研究を発表した大津拓紘君(18)
(神奈川県立西湘高校3年)は、「大学の先生から助言をもらえて刺激に。
将来は、再生医療の道に進めれば」
将来の研究者や獣医師などを目指す大学生たちの動きも活発。
富山大学で開かれた日本野生動物医学会富山大会では、
同学会学生部会が、台湾や韓国の学生らを招いた集会
「東アジアの学生との交流」などを企画。
興味のある動物や国ごとの動物園の事情の情報交換などを行った。
学生部会は、帯広畜産大学、麻布大学、北里大学など
獣医学科を持つ全国の16大学から、学会登録者だけで
約180人が集まり、野生動物の研究に関する情報を交換。
部会代表の日本大学獣医学科4年鈴木裕さん(23)は、
「特に野生動物については実践できることは限られ、
現実を知って対処するためにも交流は重要」
動物と生きる未来への模索は、今後も続いていく。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20091107-OYT8T00267.htm
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