2009年11月20日金曜日

恐怖の記憶消す脳の仕組み解明

(2009年11月13日 読売新聞)

脳が短期の記憶をとどめる部分では、神経細胞を次々に作り出し、
恐怖などの記憶を消し去っていることを、
富山大学の井ノ口馨教授らが動物実験で突き止めた。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療につながる成果。
13日発行の米科学誌「セル」に発表。

記憶は、脳の「海馬」と呼ばれる部分に保存された後、
整理され、マウスは1か月、人間は半年-3年で大脳皮質へ移り、
長期の記憶になるとわかっているが、詳しい仕組みは不明。

井ノ口教授らは、海馬で神経細胞の新生が盛んなマウスと、
そうでないマウスを実験に用い、恐怖を感じる程度の
電気ショックを加え、記憶を調べた。

その結果、細胞新生が少ないと恐怖の記憶が海馬にとどまり、
細胞新生が盛んだと、移りやすい。
恐怖などの記憶が、いつまでも海馬にとどまっていると、
何かにつけて思い出しやすく、PTSDの症状が長引く。

井ノ口教授は、「海馬の神経新生を活発にする薬剤を
開発すれば、PTSDの治療に役立つ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/11/13/111084/

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