(朝日 2009年12月28日)
意識など高次の精神作用をつかさどる大脳新皮質で、
大人でも新たな神経細胞が作られることを、
藤田保健衛生大などが、ラットを使った実験で突き止めた。
脳の障害を防ぐ治療法の開発につながる可能性。
27日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版。
記憶をつかさどる海馬など一部の脳細胞は、
老化に伴って一方的に死ぬだけでなく、
大人でも作られることが分かってきているが、
認識や思考といった高度な脳機能にかかわる
大脳新皮質については、はっきりした証拠がなかった。
藤田保健衛生大の大平耕司助教らは、
成熟したラットの大脳新皮質の最も外側の層にある細胞に注目。
光るように工夫して形態などを調べたところ、
神経細胞の元となる前駆細胞であることを発見。
神経回路に組み込まれることも分かった。
大脳新皮質で神経細胞が作られる証拠となる細胞を、
初めて見つけた。
新しく作られた神経細胞は、てんかん時に見られるような
脳の異常な興奮を抑える機能があり、
一時的に脳に血が回らない虚血状態にすると増える。
大平さんは、「神経の前駆細胞の増殖を薬剤などで促進できれば、
脳卒中後の虚血によるてんかんや、
それに伴う認知機能の低下を防ぐ治療法の開発につながる」
http://www.asahi.com/science/update/1228/TKY200912270379.html
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