2010年1月6日水曜日

イサダで健康食品開発を 釜石・北里大海洋研

(岩手日報 12月22日)

本県で水揚げが盛んなイサダ(ツノナシオキアミ)を
活用しての健康食品開発に向けて研究を進めている
釜石市の北里大海洋バイオテクノロジー釜石研究所
(井上松久所長)は、民間の協同組合と連携し、
素材となる乾燥粉末のサンプルを希望する
食品メーカーに無償で提供。
血圧が高めの人に有効とされるアミノ酸「ギャバ」を含み、
三陸発の健康食品誕生に期待。

同研究所は、2008年度からの研究で、
県内産のイカの塩辛から取り出した乳酸菌でイサダを発酵させ、
高濃度のギャバを含む食品素材を製造する技術を確立。

事業化に向けて09年度、水産物を原料とする
健康食品素材の製造を手掛ける協同組合マリンテック釜石
(佐々木伝十郎代表理事)と連携。

マリンテックの設備を利用し、品質が安定した乾燥粉末の
量産にめどがついた。
素材の供給体制が整ったことから、食品メーカーに
製品化を検討してもらおうと、サンプルを提供。

乾燥粉末は、1g中に2mg以上のギャバを含む。
菓子類など、さまざまな食品に添加し、イサダの栄養分と
ギャバの効能を生かした新しい健康食品の開発を期待。
甲殻類アレルギーの原因とされる成分も、
製造過程で分解、「安全・安心」を確保。
微粉末のため、水に溶けやすく利用しやすい。

同研究所の笠井宏朗部長補佐は、
「多くの食品メーカーに粉末が届くことを期待。
製品化へできる限りのアドバイスをしたい」と意気込む。

イサダは、甲殻類系の海洋プランクトンで、
本県の水揚げ量は全国一。
鮮度低下が早いことから、大半が釣り餌などとして安値で取引され、
付加価値をいかに高めるかが課題。

サンプルは、1袋20g入り。
問い合わせは、マリンテック釜石(0193・36・1200)へ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091222_12

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