(毎日 12月24日)
前回大会でノーシードながら4強に進出し、
旋風を巻き起こした京都成章(京都)の練習には、
年に数回、同校OBでトップリーグのヤマハ発動機に
所属するSH矢富勇毅(24)が訪れる。
部員に教えるのは、スクラムからの球出しなど
基本プレーの繰り返し。
同校指導歴21年の湯浅泰正監督(45)は、
「日本トップのレベルで活躍する先輩のプレーに接することが、
部員の高いモチベーションにつながっている」
近隣の中学ラグビー部との交流も密で、毎年8月に開く
「成章フェスティバル」には、中学生300人が集まる。
コーチ役を担うのは、同校部員。
湯浅監督は、「中学生にとっては、花園を目指す高校生と
プレーすることで夢が膨らむ。
うちの部員も、指導に回ることで理解度を深めることができる」と
効果を強調する。
高校ラグビー部を、地域の育成拠点とするモデルとして定着させたい。
スクールや中学の部活動など、高校入学前に手軽に
ラグビーに接する環境にある地域は多くない。
初出場を果たした倉吉総合産(鳥取)は、
全員が高校からラグビーを始めた。
同校の前身にあたる倉吉工時代から指導する
岩野竜二監督(36)は、社会人のクラブチームと休日に
合同練習を行うなど地域の交流を重視するが、
指導者の少なさという壁に悩む。
岩野監督は、「ラグビーを始めて浅い時期に、
プレーの基本を教えられる人材が、地方には圧倒的に少ない。
安全に楽しむ環境が整備されていないから、
相変わらず危険という先入観が先に立ってしまう」と嘆く。
競技者の少なさは、そのまま指導者不足につながる。
簡略化したルールで、少人数でも楽しめるタグラグビーの
普及のため、近隣の中学に出張授業もしている岩野監督は、
「ワールドカップ(W杯)日本開催を成功させるためにも、
日本協会にはトップの強化だけでなく、
地方の普及にも力を注いでほしい」と注文。
15人制の元日本代表監督で、神戸製鋼で現役時代から
ラグビースクールなどで普及にも携わる萩本光威さん(50)は、
「指導者が少ない地域で、地道な活動をしている方には頭が下がる。
普及、強化の地域格差をなくすのは、
ラグビー界全体で取り組むべき課題の一つ」
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/12/24/20091224ddm035050101000c.html
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