2010年1月9日土曜日

自閉症は脳の神経機能低下 タンパク質減少を確認 予防、治療の標的に

(2010年1月6日 共同通信社)

自閉症の人の脳の中では、神経から神経に情報を伝える
化学物質を回収し、再利用するタンパク質
「セロトニン・トランスポーター」が少なく、
神経機能が低下していることを初めて確かめたと、
浜松医大の森則夫教授らが発表。

化学物質「セロトニン」は、感情、睡眠、食欲、不安などに関係。
森教授は、「セロトニン・トランスポーターという、
予防や治療に役立つ具体的な標的を提示。
研究が大きく進むだろう」

森教授らは、知的障害がない「高機能自閉症」の
18~26歳の男性20人について、陽電子断層撮影法(PET)で
セロトニン・トランスポーターの分布を調査。

脳全体で、健常者より密度が低いことが判明。
自閉症の症状との関係を分析すると、帯状回という部位での
密度低下は、「相手の気持ちを読めない」という症状と、
視床での低下は強迫症状と関係があることが分かった。

これまで、自閉症の人の一部でセロトニンの血液中の濃度が高く、
自閉症との関連が指摘。

グループの辻井正次・中京大教授(発達臨床心理学)は、
「自閉症は、育て方の問題ではなく、明確な脳の障害があることが
見いだされた。障害を前提に、社会に適応して生きられるよう
サポートしていくことが大事だ」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/6/114012/

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