2010年1月23日土曜日

スポーツ21世紀:新しい波/331 ゴルフ世界戦略/2

(毎日 1月16日)

ゴルフが、五輪競技復帰を果たすに当たり、
IOCとの交渉役となった国際ゴルフ連盟。

米ツアーを中心に構成された組織の中、
異色の存在感を放つのが、米ジョージア州にある
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。
世界4大大会の一つマスターズ・トーナメントの開催コース、
一プライベートクラブが委員会の中で
大きな発言力を持つのはなぜか?

昨年4月、マスターズに石川遼が特別招待。
「彼はまだ17歳だが、素晴らしいゴルフをする。
その姿を、世界の人々に見てほしい」
オーガスタのメンバーで構成される大会主催者
「マスターズ委員会」のビリー・ペイン会長(62)。

ペイン氏は以前にも、ゴルフの五輪復帰を画策。
96年、アトランタ五輪開催にあたって、
ペイン氏が会長を務めた現地の五輪組織委員会が、
IOCにゴルフの公開競技採用を要請。
会場としてオーガスタを用意したが、最終的にIOC側が
クラブの閉鎖性を理由に反対、もくろみは実現しなかった。

ペイン氏は、多額の企業協賛金を集めて、
近代五輪100周年の記念大会を成功させた手腕を買われ、
マスターズ委員会のトップに就いた。

マスターズ委員会は近年、アジアに目を向けてきた。
04年、中国の張連偉、07年、インドのJ・M・シンを特別招待。
石川の出場も、その流れの中にある。

昨年10月、マスターズ予選を兼ねたアジア・アマチュア選手権
新設、中国で第1回大会を開催。
今年の大会は、日本での開催。

ペイン氏は、「一度でも公式に五輪種目となった競技は、
五輪で生み出される財政のいくらかを、IOCを通じて分配。
それこそが、より多くの国にゴルフを広める重要な方法となる」

いまだメンバーを男性に限るなど、米南部特有の保守性、
閉鎖性をかたくなに守る名門クラブといえども、
五輪を契機に門戸を開く用意があることをうかがわせる。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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