(2010年1月12日 読売新聞)
肺に深刻な副作用を起こす抗がん剤「ブレオマイシン」の
働きを妨ぐ酵素の仕組みを、広島大の杉山政則教授らが解明。
酵素の構造を調べるため、地球上では得られない
高純度なたんぱく質の結晶を、国際宇宙ステーション(ISS)で作製。
宇宙実験が成果につながった。
抗がん剤の働きを酵素でコントロールできれば、
副作用の少ないがん治療が期待。
ブレオマイシンは、がん細胞のDNAを切断する働きがあり、
食道がんなど広く治療に使われている。
肺に蓄積されやすく、正常な細胞のDNAも切断するため、
間質性肺炎を引き起こす副作用がある。
酵素は、杉山教授が1994年に発見、BATと名付けた。
ブレオマイシンとともに放線菌で作られる。
研究チームは、無重力下で不純物の少ない質の高い
結晶ができるISSでBATの結晶を作り、
大型放射光施設「スプリング8」で立体構造を解明。
BATは、ブレオマイシンをつかまえて、自分が蓄えている
有機化合物に反応させて、DNA切断機能を失わせていた。
杉山教授は、「構造がわかったので、ブレオマイシンの働きを
調節する薬の開発につながる」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/12/114250/
0 件のコメント:
コメントを投稿