2010年1月22日金曜日

副作用少ない抗がん治療へ道 抑制酵素の仕組み解明…広大チーム

(2010年1月12日 読売新聞)

肺に深刻な副作用を起こす抗がん剤「ブレオマイシン」の
働きを妨ぐ酵素の仕組みを、広島大の杉山政則教授らが解明。

酵素の構造を調べるため、地球上では得られない
高純度なたんぱく質の結晶を、国際宇宙ステーション(ISS)で作製。
宇宙実験が成果につながった。

抗がん剤の働きを酵素でコントロールできれば、
副作用の少ないがん治療が期待。

ブレオマイシンは、がん細胞のDNAを切断する働きがあり、
食道がんなど広く治療に使われている。

肺に蓄積されやすく、正常な細胞のDNAも切断するため、
間質性肺炎を引き起こす副作用がある。

酵素は、杉山教授が1994年に発見、BATと名付けた。
ブレオマイシンとともに放線菌で作られる。
研究チームは、無重力下で不純物の少ない質の高い
結晶ができるISSでBATの結晶を作り、
大型放射光施設「スプリング8」で立体構造を解明。
BATは、ブレオマイシンをつかまえて、自分が蓄えている
有機化合物に反応させて、DNA切断機能を失わせていた。

杉山教授は、「構造がわかったので、ブレオマイシンの働きを
調節する薬の開発につながる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/1/12/114250/

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