2010年1月20日水曜日

スポーツ21世紀:新しい波/330 ゴルフ世界戦略/1

(毎日 1月9日)

石川遼が出場し、日本でも注目された米国選抜と
世界選抜(欧州を除く)との団体対抗戦
「プレジデンツ・カップ」(昨年10月・米サンフランシスコ)。

華やかな大会前夜祭で、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の
小泉直会長(70)に、米プロゴルフ協会(PGA)の
ティム・フィンチェム・コミッショナー(62)がある提案。

「2015年に、プレジデンツ杯を日本で開きたい。
協力してもらえないか」
その直後、IOCは、16、20年夏季五輪での
ゴルフの実施競技復帰を正式決定。

94年に始まったプレジデンツ杯の開催地は、
米国、カナダ、豪州などいずれも英語圏。
大会の知名度を考えても、他地域での開催は
スポンサー確保などの面で困難と指摘。
そんな中、日本側への異例の売り込みに、
小泉会長は、「五輪復帰の動きと無関係ではない」

「打診は、米ツアーがアジア市場に目を向け始めた証拠。
一大イベントを契機に、アジアに急速に
アプローチをかけてきている」と分析。

ゴルフの五輪復帰をIOCに強く働き掛けたのは、
国際ゴルフ連盟(IGF)。
交渉役を務めたのが、PGAの副会長でもあるタイ・ボウトウ氏(47)。

ボウトウ氏は、37歳で米女子プロゴルフ協会(LPGA)コミッショナーに
就任し、低迷していた米女子ツアーを復興。
06年、男子ツアーからヘッドハンティングされ、
フィンチェム氏の片腕。
IOCとの交渉カードとして、多額の放映権料が期待できる
トップ選手が、五輪に参加できる環境整備を
強力に推し進めたのも、ボウトウ氏。

米ツアー主導で進んだ五輪復帰活動。
その背景を、小泉会長は「ここ数年、世界をリードしてきた
米ツアーの弱体化が目立ち始めたから」とみる。

ゴルフが、1904年セントルイス大会以来となる五輪復帰。
五輪が、ゴルフを選んだ意味は?
ゴルフ界が目指す方向や日本が抱える課題を探った。

http://mainichi.jp/enta/sports/21century/

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