2010年1月18日月曜日

インタビュー・環境戦略を語る:三菱自動車・益子修社長

(毎日 1月11日)

昨年7月、世界初となる量産型電気自動車(EV)
「i-MiEV」を発売した三菱自動車。
EVは、CO2を全く排出しないエコカーとして注目。
益子修社長は、「環境性能の高さをてこに、アイ・ミーブを核にした
環境に優しい街づくりを目指したい」

--アイ・ミーブの販売は順調。

09年度は、法人向けを中心に計画通り1650台を販売。
EVの量産メーカーとしての一歩を最初に踏み出し、
責任や期待の大きさを感じる。

高い評価もある一方、走行距離が不十分で、
充電設備が整っていないという人も。
国や自治体などの支援を得ながら、課題を解決していきたい。

--エコカーでは現在、ハイブリッド車(HV)の普及が
進んでいますが、EVの強みは?

◆欧米では、EVを量産しようという人が増え、
世界はその方向に動いている。
視界に入っている中では、EVが環境対応では最も優れた車。
HVを否定するのではなく、HVやプラグインハイブリッド車
(PHV)も素晴らしい車で、使われ方や地域性によって
すみ分けが進む。

走行距離が1日100キロでいい、という人にはEVが適している。
長距離を走るのなら、走行距離が長いPHVなどの選択肢。
各社が少しでもCO2を出さない燃費がいい車を追求しながら、
環境についてできることをやっていくことが大切。

--三菱自動車として何ができるか?

◆総生産台数の20%以上をEVにすることなどを柱にした
2020年に向けた環境ビジョンを策定。
EVとともに低炭素社会を築くことを目指すもので、
先行者としてEVの理解者を増やす役割。

長崎県などが進めるEV普及事業では、
充電設備の整備や住民向けの試乗会など、
啓発活動に取り組んでもらっている。
民間との連携では、ローソンと充電設備の整備を手掛け、
シャープとは太陽光発電で作った電気をEVに供給する
「EVのある暮らし」を提案。
環境についてみんなが考える中、アイ・ミーブを核にした
街づくりができればいい。

--4月からアイ・ミーブを一般販売し、海外にも本格展開。

◆一般販売の前に、法人を中心に使ってもらった結果、
技術的、品質的な問題はない。
一般人が乗っても大丈夫だ、と確信を持って市販を始める。
10月から、欧州向けを中心に輸出し、
11年に米国に投入することで、世界はほぼカバーできる。
米国では、数万台規模で販売する見込み。
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◇ますこ・おさむ

早稲田大卒。72年三菱商事。執行役員を経て、
04年、三菱自動車常務。05年1月から現職。
東京都出身。60歳。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100111ddm008020029000c.html

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