2010年1月23日土曜日

フォルシアのデラブリエールCEO「自動車部品でも業界再編」

(日経 1月7日)

自動車産業の世界再編が加速し、
その波が部品業界へも及びつつある。
電動化や新興国市場の台頭など、激変する自動車市場の中、
部品メーカーとしてどのような戦略を描くのか?
自動車部品大手、仏フォルシアのヤン・デラブリエール
会長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

——現在の自動車市場の変化をどうとらえる?

「様々な変化の中、特筆すべきは2つ。
1つは環境、特に燃料消費の問題に大きく焦点が当てられる。
軽量化やパワートレーンの電動化など、
商品として変化が今後も一段と進む」

もう一方が新興国。
今回の経済危機の中、新興国の対処はこれまでとは異なっていた。
今までの経済危機では、真っ先に新興国が打撃を受けていたが、
今回は全く逆の構図。
これは、自動車業界に大きな影響を及ぼし、
すべてのメーカーの関心は特にアジアに向かっている」

——どのような対応をとるのか?

生産や開発、物流の効率やコストを、
世界中で最適化することが重要。
中国を旅するとよくわかるが、
欧米や日本と大差のない車が走っている。
これからは、新興国でも先進国でも、同水準の技術が
同時に求められるようになる。
当社も、中国やインドの技術拠点で、
グローバル共通のプログラムを採用し、世界同水準の対応が
可能な体制を築いている」

環境関連では、米国の排ガス浄化システムの
エムコン・テクノロジーズの買収契約を結んだ。
同分野での当社のシェアは大きく高まり、同分野では
世界をリードできると考えている。
こうした部品業界の再編の動きは、今後も広がる」

——変化の中で、どのような点に好機を見いだすのか?

「日本の自動車業界は、商品技術は非常に高く、
今後の成長も見込める一方、強固なサプライヤー基盤を
自前で持っており、日本の中での参入は難しかった。
新興国など、グローバルでの対応となれば、
我々にも新たな商機が巡ってくる」

——三菱自動車とPSAなど、完成車メーカーの再編が及ぼす影響は?

PSAと三菱自が関係を強化すれば、
我々にとっても日本メーカーとの取引を拡大するチャンス。
三菱自の欧州向けディーゼル車のエンジンを、PSAが供給することで、
当社も三菱自との取引が広がった経緯がある」

——業界再編の中で勝ち残りの条件は?

「当社は、事業規模を追求するためのM&Aで拡大してきた企業。
現在、欧米の自動車部品メーカーの多くは経営危機に立たされ、
再編機運は高まっている。
今回は、事業の合理化を前提に、キャッシュ流出などの面で
管理の行き届いた再編の時期にあり、
むやみやたらなM&Aはできない」

「技術の変化スピードも、ますます加速することは間違いない。
我々も経済危機の中、業界も大きな打撃を受け、
そこから回復する局面に。
その過程で、どこまでコストを抑制して新規の開発投資に
回せるかが生き残りの条件となる

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int100106.html

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