(日経 3月16日)
相手を説得するための論理的説明の仕上げは、
伝える手段を考慮しながら、説明の流れを作ること。
伝えたい内容が完成していても、時間が足りなくなるなど、
さまざまな問題が起こる。
こうした問題を無視してしまうと、分かりやすい内容でも、
相手を説得するという目的を達成できない。
伝える内容と手段を加味した「説明のストーリー」を用意。
「ストーリー」とは、何をどの順序で説明するかを決定すること。
ストーリーの作り方は、次の4つのステップ。
最初のステップは、伝えたい内容の優先順位をつけること。
「結論」、「根拠」、「説明の背景」、「付随する情報」に分けられる。
どの優先順位が高いのかを決める。
説明の背景や付随する情報は、受け手によって優先順位が変わる。
根拠が複数ある場合、どれを優先するのかを考えておく。
2つ目は、伝えたい内容をどの程度伝えられるかの判断。
説明のため、与えられた時間をもとに、どの程度まで
説明できるのか把握。
優先順位にしたがって、伝えるべき内容の目星をつける。
数分の立ち話で説明しなければならない場合、
内容を大幅に削らなければならない。
このステップで、注意すべきことは、「何を使って伝えるのか」。
資料を使って説明するのと、口頭のみとでは要する時間が変わる。
対話を通じてなのか、一方的な説明なのかによっても、
同じ時間内で伝えられる量は異なる。
ステップ3は、説明する順序を決定すること。
伝える順序には、まず結論から伝えるパターンと、
根拠から説明し、最後に結論を伝えるパターンの2つが代表的。
どのような順序が、最も効果的なのかを考慮することが必要。
一部のプレゼンテーションの書籍で見られるような
「結論先行が望ましい」という考え方が、常に通用するわけではない。
聞く気のない受け手に、結論をいきなりぶつけても、
その内容が受け手に残ることはない。
相手の理解が十分でない事柄を説明する場合、
まず背景や事実を丁寧に説明する方がよい。
逆に、持ち時間がほとんどないとき、結論を先に言ってしまった後、
時間の許す限り、理由を加えていくという順序が有効。
最後のステップは、メッセージの修正。
伝える順序が変われば、同じメッセージでもニュアンスは変わる。
そうした点を考慮しながら、メッセージの位置づけや内容を修正。
ストーリーを考えるとき、心がけたいのは、
どれだけ受け手の理解につながるか、ということ。
自分が説明できたとしても、受け手が説明内容を
すべて理解できるとは限らない。
中途半端な理解は、誤解や納得感の欠如に結びつく。
ときには、説明内容を大胆に絞り込んでみたり、
説明の順序を変更したりする工夫も必要。
こうして完成したストーリーは、説明したい内容、受け手の状況、
伝える手段をバランスよく反映したもの。
より説得力のあるコミュニケーションの実現を可能に。
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/bizskill/biz100316.html
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