(読売 3月15日)
魚を食べると、心が落ち着く?
食物に含まれる脂肪の種類が、精神面の健康に影響するという
研究報告が、国内外で積み重ねられてきた。
とくに注目されているのは、サバなど青魚に多い「ω-3系脂肪酸」
うつの改善や攻撃性の低減などに効果があるという
報告が相次いでいる。
効果がなかったとする報告もあり、科学的な検証はまだ途上だが、
うつ病患者が国内で100万人を超える中、
食事の見直しが心の健康対策に役立つかも知れない。
代表的なω3系脂肪酸はサンマ、イワシ、ブリなど魚に多く含まれる
EPA、DHAと、シソ油などに多いαリノレン酸。
中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ効果がわかっている。
精神面への影響の研究は、1990年代後半から始まった。
魚をよく食べる人は、自殺企図が少ない(日本、フィンランド、米国)
といった疫学調査のほか、被験者にω3系の油と偽薬(植物油など)を
無作為に割り当て、どちらかわからない形で服用してもらって、
効果の有無を見る実験的な研究も各国で行われてきた。
その結果、攻撃性や衝動性が減る(日本)、
うつが改善する(米国、英国、台湾)といった報告、
産後うつや認知症の予防効果を示唆する研究も。
一般の植物油に多いリノール酸など、
「ω6系脂肪酸」との相対的な量に着目し、うつの高齢者は
血液中のω3系の比率が低いとした調査(オランダ)。
関連や効果が見られなかったとの報告も、複数ある。
各種の研究を分析した米国の昨年の論文は、
「うつ病の治療手段になる可能性があるが、
大規模な試験が求められる」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100315-OYT1T00834.htm
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