(読売 4月3日)
午後3時過ぎ、放課後の図書室。
4~6年生20人余りが、宿題に向かっている。
女児の1人がノートを持って、年配の男性に駆け寄った。
「先生、ここわからない」、
「そうか、これはね……」
優しく教えるのは、この学校の家庭学習等支援サポーター。
定年退職した元小学校校長のボランティア2人。
福岡市立弥永小学校が、週2回行う「午後の寺子屋」は、
家庭学習の習慣づけを支援する教室。
主に授業でつまずきが多い児童が対象だが、誰でも参加できる。
「家庭学習を促すにも、保護者が仕事で留守の家庭もあり、
学校に家庭学習の場を作った」と相良誠司・前校長(51)。
支援サポーターの元校長(61)は、「じっくり個別指導するので、
成績にかかわらず多くの子が集まる」
同じ頃、1~3年生の6、7人が、職員室前の「ガンバ廊下」で
宿題をしていた。
廊下の窓際に置かれた12台の机で勉強し、わからないことがあると
職員室に聞きに行く。
平日は毎日利用でき、これも家庭学習の習慣づけが目的。
同小が、放課後の自主学習の場を設けたのは2007年度から。
同年の全国学力テスト(学テ)の成績が、
全国平均を大きく下回ったため。
当時教頭だった相良さんが着目したのが、
宿題をきちんとする子ほど成績がよい、という
06年の同市学力実態調査のデータ。
市教委でも小冊子を作るなどして、家庭学習の環境作りを呼びかけ。
同小は、児童に毎日必ず宿題をやり切るよう徹底することにし、
午後の寺子屋とガンバ廊下を設けた。
改善の効果は、学テの成績にはまだ表れていないが、
08、09年度、民間の全国学力検査では、全国平均に近い成績。
児童アンケートで、「学習することが楽しく感じる」子も、
07年度の64%が08年度には77%まで増えた。
静岡県浜松市立蜆塚中学校では、家庭学習ノートを配布。
生徒は、数学の問題や英単語などの反復学習を行い、
担任が毎日チェック。
「1日15分だけでも、自主学習する習慣をつけてほしい」と
今村ゆかり教頭(48)。
家庭学習の成果を試すのが、国語、数学、英語の
小テスト「チャレンジ検定」。
各教科につき年2回、実力に応じて1~10級の検定に挑戦。
1級合格者の名前は、校内に張られるため、
生徒は友だちと競い合う。
過去の学テでも、全国平均を上回る好成績を維持。
家庭学習を習慣づけるため、学校が環境を整えている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100403-OYT8T00299.htm
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