(読売 4月8日)
「なるほど、そうかと考えよう。もっとないかと考えよう。
なぜ、どうしてと考えよう」。
毎日、午前と午後の授業の始まりに、各教室に
児童の元気な声が響き渡る。
唱えるのは、黒板の上に掲げた「学びのめあて」。
香川県観音寺市立一ノ谷小学校は、2006年度、
県の研究指定校となり、08年度からは、思考力育成を目的に、
考え方や質問の仕方である「話型」の習得を取り入れた。
思考力育成と毎日の復唱。
一見、異質に思える組み合わせが、効果を上げた。
「全国学力テストで、活用力を問うB問題や、県の学力調査でも
思考力の伸びを確認し、自信を深めました」と中野正司校長(56)。
同校は、「学びのめあて」以外にも、「話型」を16項目に整理。
「話型」のほか、持参する鉛筆の本数やノートの書き方まで、
授業の取り組み方をまとめた一覧表「学びの名人になろう」を作成、
児童に配布。
「学びの名人」とは、勉強ができる児童の意味。
基本姿勢を示したマニュアルは、教師約10人が
自らの経験を持ち寄って作成。
教師用に、「教えの名人」も作成、思考力育成から児童との
信頼関係作りまで、具体的な指導内容の指南書。
授業は、“名人マニュアル”を基に、児童が思考を深める点に
重点が置かれている。
1年生の国語。
教師は、「理由づける」、「五感を使う」ことを念頭に、
「頭のテレビで考えてみよう」などと質問し、考えさせる。
思考力は、ものの見方や考え方だが、児童は、どう考え、
どのような見方をすればよいのか、最初は分からない。
「話型」は、論理的に考えるコツを覚えさせるのが狙い。
答えは、計算式や漢字のように一つではない。
それぞれの児童が、自由に思い描いた内容すべてが正解。
想像力をいかに引き出すかは、教師の質問にかかっている。
授業での集中力もポイント。
学習意欲を高めようと、全校でインド式九九や百人一首に取り組み、
優秀児童を大名人に認定し、廊下に張り出している。
福田育子教諭(51)は、「学校は勉強するところ、と意識させる
環境作りの効果も大きい」
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100408-OYT8T00222.htm
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