(読売 4月9日)
温泉や紅葉で知られる養老渓谷に近い
千葉県大多喜町立老川小学校。
「春を見つける」をテーマに、4年生の理科の授業が行われた。
児童13人は、千葉県立中央博物館と共同で作った
「森の調査隊ワークシート」を手に方々へ散った。
シートには、「木を揺すってみよう」、「においをかいでみよう」、
「芽吹きを探そう」といったヒントが書いてある。
児童は、「風が暖かかった」、「フキノトウが苦そうなにおいだった」、
「茶色と緑の葉があった」などと報告。
顕微鏡で、キャベツのように葉が詰まった芽や
カエルの卵を観察し、小さな春を実感。
同校は2003年度から、博物館と連携した授業に力を入れている。
09年度、中央博物館と国立科学博物館から
それぞれ2回学芸員を招き、中央博物館を2回、
同大多喜城分館を1回訪れた。
全国学力テストによって、博物館や科学館、図書館を利用した
授業の効果が明らかになった。
できない子が減り、できる子も増える。
文部科学省が、5政令都市の20校を抽出、
07~08年度の変化を見た調査で、浮かび上がった傾向。
分析の結果、できない子を減らしたのは、
夏休みなどを利用した補習や、読み書きを習慣づける授業など。
できる子を増やしたのは、地域への授業の公開や
職場体験などの実施だったことが分かった。
同小も、全体的な学力の底上げが表れ、全国平均を上回る。
県学力テストも、全教科で平均点を大きく超える。
科学館を上手に利用するコツとして、永島絹代教諭(49)は、
学芸員へ2点の要望をすることが大切。
「体験を通じて、教科書の基礎を押さえる」、
「教科書にない発展的要素を入れる」
科学館や博物館の魅力は、化石や標本、模型といった
豊富な資料や展示物。
「学校にはない迫力や新しさは、児童の心をつかむ」(永島教諭)ため、
学習意欲が高まり、授業の効果が上がる。
児童は、基本を確実に理解し、興味を広げる。
好影響は、理科以外の他教科にも及ぶ。
学芸員の効果もある。
児童は、学校以上に熱心に話に耳を傾けるうえ、
教師の知見も広がる。
新しい学習指導要領でも、理科の基本方針として
「自然体験、科学的な体験を一層充実する」ことが示された。
科学館など校外施設への期待は大きい。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100409-OYT8T00266.htm
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