(東海新報 4月13日)
環境省東北地方環境事務所と大船渡市主催の
「碁石海岸を訪ねるみち・自然観察会」が、碁石海岸で行われた。
碁石海岸で、カタクリが自生していることは知られておらず、
参加者は可憐な姿に足を止めて、じっくりと観察。
多様な植物が生息する現状や、海岸沿いで観察できる
地層などについても理解を深め、魅力を再確認。
今年は、国連が定める「国際生物多様性年」。
生物生息地の破壊や乱獲によって、多様性が失われつつある中、
「生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」を目標、
各種啓発活動が行われている。
碁石海岸の多様な生物とのふれあいを通じ、
生物多様性の大切さを感じてもらおうと企画。
市観光物産協会が共催、陸中海岸国立公園パークボランティアが協力。
定員30人で募集、申し込み開始時から多くの問い合わせがあり、
関心の高さをうかがわせた。
この日は、参加者と市関係者ら約40人が集った。
穴通磯近くの駐車場からスタート、穴通磯を見学、
県が整備した自然歩道をグループごとに歩いた。
垂水浜付近は、上下合わせて約400段の階段状、
急勾配が続くルートも参加者同士声をかけあいながら進んだ。
自然歩道沿いでは、多くの人々を魅了するカタクリの葉が確認、
この付近に生息していることを初めて知る参加者も多かった。
カタクリは、ユリ科の多年草、古代から可憐さが親しまれてきた植物。
何年もかけ、栄養を貯めて花を咲かせる特徴や、
受粉には昆虫の力を必要とすることなども現地で確認。
今年は、肌寒い日が多く、開花はこれから本格化。
紫色の花弁が数カ所で確認でき、参加者は歩き回った疲れも
忘れた様子で、虫眼鏡を使って熱心に観察。
カタクリの美しさを満喫しながら、多様な植物が生きる
碁石海岸の自然保護に対する意識も高めていた。
同事務所大船渡自然保護官事務所の久保井喬さんは、
「早い段階から申し込みがあり、生物多様性年などについては
まだ身近になっていない印象も。
陸中海岸国立公園では、カタクリやシュンランをはじめ、
希少な野生動植物は保護。
今後も大切にしてほしい」
参加者は観察会を通して、古代地質を確認できる
碁石海岸の特色についても理解を深めた。
市立博物館にも移動、生物多様性に関連するパネル展も見学。
パネル展示は、5月9日(日)まで。
http://www.tohkaishimpo.com/
0 件のコメント:
コメントを投稿