(2010年4月12日 共同通信社)
関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患で、
自分の体を異物と認識して攻撃する特殊な免疫細胞が働く
仕組みを解明したと、東京医科歯科大の
高柳広教授(骨免疫学)らが、
11日付英科学誌ネイチャー電子版に発表。
攻撃を指令するタンパク質などが作られるのを促進する
遺伝子「アイカッパビー・ゼータ」が活性化。
これを標的にすれば、副作用の少ない
新たな治療薬開発が期待できる。
高柳教授らは、関節リウマチ患者の骨を壊す破骨細胞を
活性化させるなど、多くの自己免疫疾患の原因となる
「Th17」という免疫細胞に着目。
この細胞で、多く発現している遺伝子アイカッパビー・ゼータを
特定し、これが活性化すると、
自分の体に対する攻撃準備が進むことを見つけた。
正常な免疫細胞の「T細胞」が特定の刺激を受けると、
Th17になることが知られているが、
この遺伝子を壊したマウスのT細胞は刺激を与えても、
ほとんどTh17にならなかった。
多発性硬化症を発症させる操作を、
このマウスにしても、全く発症しなかった。
高柳教授は、「体内に侵入した異物を排除する
正常な免疫細胞として、Th17が関与する範囲は限られる。
今回の遺伝子の働きを抑える物質を見つければ、
広く免疫を抑制する従来の治療薬より副作用の少ない
薬剤開発につながる」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/12/118832/
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