2010年4月17日土曜日

遺伝子活性化で自己攻撃 リウマチ新薬開発に期待も

(2010年4月12日 共同通信社)

関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患で、
自分の体を異物と認識して攻撃する特殊な免疫細胞が働く
仕組みを解明したと、東京医科歯科大の
高柳広教授(骨免疫学)らが、
11日付英科学誌ネイチャー電子版に発表。

攻撃を指令するタンパク質などが作られるのを促進する
遺伝子「アイカッパビー・ゼータ」が活性化。
これを標的にすれば、副作用の少ない
新たな治療薬開発が期待できる。

高柳教授らは、関節リウマチ患者の骨を壊す破骨細胞を
活性化させるなど、多くの自己免疫疾患の原因となる
「Th17」という免疫細胞に着目。
この細胞で、多く発現している遺伝子アイカッパビー・ゼータを
特定し、これが活性化すると、
自分の体に対する攻撃準備が進むことを見つけた。

正常な免疫細胞の「T細胞」が特定の刺激を受けると、
Th17になることが知られているが、
この遺伝子を壊したマウスのT細胞は刺激を与えても、
ほとんどTh17にならなかった。
多発性硬化症を発症させる操作を、
このマウスにしても、全く発症しなかった。

高柳教授は、「体内に侵入した異物を排除する
正常な免疫細胞として、Th17が関与する範囲は限られる。
今回の遺伝子の働きを抑える物質を見つければ、
広く免疫を抑制する従来の治療薬より副作用の少ない
薬剤開発につながる」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/4/12/118832/

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