2010年4月14日水曜日

全国学力テスト(5)教師全員で授業検証

(読売 4月7日)

厚さ約9mm、163ページの冊子は、
2年間にわたる授業改善の記録。
福井市立円山小学校は2008年度から、
文部科学省指定の学力向上実践研究を行っている。

07年度の全国学力テスト(学テ)の成績は、
国語、算数とも全国平均を上回った。
基礎を見るA問題に比べ、活用力を問うB問題の出来が悪かった。
同小は、学習状況調査で「読書好き」と答えた割合が、
全国をかなり下回ったことに注目、読解力育成を研究テーマとした。

特に力を入れたのが、校内向け公開授業。
これまで各教師年1回は行ってきたが、
授業提案だけに終わらせないよう工夫。

授業参観の教師がチェックするのは、教壇の教師の教え方ではなく、
それぞれの児童の様子。
「どの場面で、どう考え、どんな変化が見られたか」など、
個別の児童の反応をメモ。
授業後、参加教師全員がメモを基に、どうすれば多くの児童の
理解や思考が深まるのか検証。

脇田典子教頭(54)は、「複数の目で見ることで、
児童に合った指導・支援がより分かる。
参加した教師同士の意見交換は、視野を広げ、勉強にもなる」

08年度の学テでは、課題だった読解力で一定の向上が見られ、
「熟考・評価に深まりがない」、「児童の自発性を重視した
体験活動が不十分」という弱点も分かり、
09年度のテーマを、「総合的な学力の育成」に変更。

道徳の公開授業で、田中悦博教諭(44)は、
冬季五輪の男子フィギュアで銅メダルになった高橋大輔選手の
テレビ番組を見せて、個性を伸ばすことを考えさせた。

児童30人に対し、参観の教師は8人。
児童の積極的な発言が相次いだ。
授業後の検証では、細かな指摘もあったが、
児童は予想以上に深く考え、経験と結びつけて、
自分を見つめ直すことができた
」と評価は上々。

日々の授業も教師自身で検証できるよう、時間割のように
1週間単位で授業内容を記載する「週案簿」を作る。
教師は毎日、気づいたことなどを記入、校長や教頭に提出、
助言などを受ける。
「職員室でも、気軽に相談できる雰囲気を大切にしている」と
本多嘉文校長(58)。
不断の検証と情報の共有が、指導力の向上につながる。

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100407-OYT8T00350.htm

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