(読売 4月1日)
5年生の教室、1時間目が始まる前の朝学習の時間。
子どもたちの算数のノートが、付せんが何枚も張られて返された。
ページを開くと、「もう一度よく考えてごらん」と赤ペンの添削。
間違いに気付いた児童は、消しゴムで消して問題をやり直した。
ノート指導に力を入れる、神戸市立兵庫大開小学校。
児童が主体的に考え、問題解決力が身につくよう、
書き込み式のワークシートを使ったノートの添削指導を行っている。
ワークシートと言っても、ノートの見開き2ページ分に、
問題文などを手書きしたシンプルなもの。
算数の「割合」では、「□は□の□倍」といった空欄を埋める言葉や
数字を考えたり、割合の線分図を活用したりしながら、
倍数とは何かを、多角的に理解させるという具合。
授業後は、ノートに張らせて回収し、一人ずつ添削。
「ワークシートに慣れて、普通のノートに自分でポイントを
まとめられるようになるのが理想」と、
この指導法を導入した前沢亘子教諭(62)。
同小が、ノート指導に本格的に取り組んだのは、
2007年度の全国学力テスト(学テ)がきっかけ。
知識の活用力を試す「B問題」の成績が、全国平均より低かった。
B問題は、国際学習到達度調査(PISA)で、
日本の子どもの活用力や読解力が弱かったことから設けられた問題。
教え込み型の指導を見直そうと、同小では、
学テ実施前の05年度から、様々な科目でワークシートを導入。
その活用法を、学テの成績不振を受けて練り直した。
ワークシートを使った授業を、「自分で考える時間」、
「みんなで考える時間」、「まとめの時間」に分割。
同級生の発言にも耳を傾け、多様な意見の中から
自分の考えを固めていく形。
添削した所に付せんを張り、どこでつまずいたのか、
児童が一目でわかるようにした。
これらが効果を上げ、08年度の学テでは、国語、算数とも、
B問題の成績が全国平均を上回った。
「問題を解くための手順を理解させるには、
まず書いて考えさせることが一番」と藤原敏雄校長(59)。
同小では授業中、なるべく多くの児童に発表させる。
教師は教え過ぎず、授業の主体はあくまで児童という位置づけが、
学力の向上につながっている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100401-OYT8T00335.htm
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