(読売 5月27日)
東京都北区立王子第三小学校の6年2組の教室。
『地球にやさしいエコカー』と題した小学生向けの新聞記事を
読み終えた子どもたちに、担任の太巻美青教諭(34)が問いかけた。
「算数で未来を考え、自分ならどうするか、意見をまとめてもらいます」
算数を通じて、環境問題を考える授業。
記事に書かれていた〈1〉ガソリン車、〈2〉ガソリンと電気を使う
ハイブリッド車、〈3〉天然ガス車――の3車種で、
CO2排出量がどのくらい違うか、確認する作業から始める。
「算数を使って予想しよう」という単元では、
前の時間に読んだ地球温暖化の記事を使い、
氷山が解けて消滅してしまう時間をグラフから予測。
2時間目のこの日は、記事をもとに百分率を使って
排出量の減り具合を考えた。
身近な問題に感じられるよう、架空の「王三マンション」に、
100世帯が住んでいて、ハイブリッド車、天然ガス車を半数ずつ
持っていると設定。
記事の中から、CO2排出量は、ハイブリッド車は半分程度、
天然ガス車は25%程度、それぞれガソリン車より少ないという
データを読み取らせ、すべてガソリン車の場合に比べて、
CO2をどれくらい減らせるか求めた。
計算方法について聞かれた児童は、
「ガソリン車100台分の排出量をもとにし、王三マンションの
排出量の割合を求めます」と答えた。
その結果、37・5%も減らせることが分かった。
一連の授業では、新聞記事から、
「キリマンジャロにある氷河が、2022年にも消滅しそう」、
「CO2排出量 中国がトップに」という情報にも触れた。
「地球がCO2の増加で温暖化すると困ることも学んだよね」と
授業を補佐した山岸幸枝教諭(34)。
まとめのコーナーで、女子児童の一人は、
「車種によって、かなり減らせることが分かった。
乗るならエコな車にします」、
男子児童は、「少しくらい不便でも(車に乗るのは)我慢します」
単純な予想は当てずっぽうになりがち。
記事や資料を使ってグラフにしたり、割合を求めたりすると、
「AだからBになるだろう」と根拠をもって説明。
新聞の情報から算数の便利さを実感し、
身の回りの出来事も、興味を持って分析的に考えられる。
教科書や全国学力テストに、新聞を活用した学習が
登場するようになった。
子どもを伸ばす新聞の使い方を先駆者の取り組みから紹介。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100527-OYT8T00323.htm
0 件のコメント:
コメントを投稿