(日経 5月17日)
停滞を宿命と考えるのは
もうやめよう。
我々は忘れていないか。
世界を驚嘆させた時のことを。
今から10年ほど前、米経営学者のピーター・ドラッカー氏を、
西海岸の自宅に訪ねたことがある。
当時も、今と同じく日本の存在感低下が指摘、
「ジャパン・パッシング(日本素通り)」という言葉が
しばしばメディアに登場。
「このまま日本は沈んでいくのでしょうか?」
こちらの問いかけに、90歳を超えた碩学からは、
「大丈夫。時が来れば、
日本ほど大胆に変化する国はほかにない」
という答えが返ってきた。
たしかその時、ドラッカー氏は明治維新や戦後の復興を
例に話してくれたが、重要なのは個々の歴史的事象ではない。
私たち日本人の奥底には、たぐいまれな進取の気性や挑戦心が
息づいており、普段は目立たないが、何かきっかけがあれば、
驚くほどのエネルギーがあふれ出る。
そんな「日本人観」を、聞かされたことが新鮮だった。
「世界人」をテーマに、皆様から寄せられたアイデアに目を通す中、
頭をよぎったのがこの時のこと。
「淡路島をアワジシティーに」、「子どもオリンピックを」――
大胆でありながら、決して実現不可能ではない示唆に富む
提案が集まった。
停滞を宿命と考える場所からは、何も生まれない。
世界に飛び込む勇気、世界を受け入れる勇気があれば、
日本人は「世界人」に変身する。
http://www.nikkei.com/news/topic/article/g=96958A9C93819596E3E2E2E1E78DE3E2E2E7E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;q=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E4E3;p=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E7E6;n=96948D808D9F9B80939B8D8D8D8D;o=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E7E3
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