2010年6月8日火曜日

世界一、世界人が多い国、日本へ 第2回

(日経 5月17日)

停滞を宿命と考えるのは
もうやめよう。
我々は忘れていないか。
世界を驚嘆させた時のことを。

今から10年ほど前、米経営学者のピーター・ドラッカー氏を、
西海岸の自宅に訪ねたことがある。

当時も、今と同じく日本の存在感低下が指摘、
「ジャパン・パッシング(日本素通り)」という言葉が
しばしばメディアに登場。

「このまま日本は沈んでいくのでしょうか?」
こちらの問いかけに、90歳を超えた碩学からは、
「大丈夫。時が来れば、
日本ほど大胆に変化する国はほかにない
という答えが返ってきた。

たしかその時、ドラッカー氏は明治維新や戦後の復興を
例に話してくれたが、重要なのは個々の歴史的事象ではない。

私たち日本人の奥底には、たぐいまれな進取の気性や挑戦心が
息づいており、普段は目立たないが、何かきっかけがあれば、
驚くほどのエネルギーがあふれ出る。
そんな「日本人観」を、聞かされたことが新鮮だった。

「世界人」をテーマに、皆様から寄せられたアイデアに目を通す中、
頭をよぎったのがこの時のこと。

「淡路島をアワジシティーに」、「子どもオリンピックを」――
大胆でありながら、決して実現不可能ではない示唆に富む
提案が集まった。

停滞を宿命と考える場所からは、何も生まれない。
世界に飛び込む勇気、世界を受け入れる勇気があれば、
日本人は「世界人」に変身する。

http://www.nikkei.com/news/topic/article/g=96958A9C93819596E3E2E2E1E78DE3E2E2E7E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;q=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E4E3;p=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E7E6;n=96948D808D9F9B80939B8D8D8D8D;o=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E7E3

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