(2010年5月24日 共同通信社)
脊椎や手足の関節が変形し、歩行障害などの症状が出る
変形性関節症は、軟骨細胞に存在する特定のタンパク質によって、
軟骨が破壊されたり骨になる「骨化」が異常に起きたりするのが
原因との研究結果を、川口浩東京大准教授(整形外科)らが
23日付米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表。
こうした仕組みを標的にすることで、治療薬開発につながる。
骨ができる過程では、成長板という軟骨が壊れて、
骨に置き換わる「軟骨内骨化」という現象が起きる。
変形性関節症では、成人の関節で、そのままであるべき軟骨に、
異常な骨化が起きると考えられている。
川口准教授らは、軟骨が骨になる過程で出る特殊なコラーゲンに着目。
軟骨細胞に存在する「HIF2A」というタンパク質によって、
このコラーゲンの分泌が促進されることを見つけた。
マウスのひざの関節に負荷をかける実験で、
HIF2Aが少ないとコラーゲンも少なく、軟骨の破壊が抑えられた。
手術で摘出した患者の軟骨では、正常な軟骨よりHIF2Aが多かった。
関節の辺縁部では、血管が入り込み、破壊された軟骨から骨ができる。
川口准教授によると、日本の変形性関節症の患者は2千万人以上、
現在は消炎鎮痛剤の投与などの対症療法しかない。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/5/24/120654/
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