2010年6月10日木曜日

世界一、言語の壁が低い国、日本へ 第3回

(日経 5月24日)

もう論争はやめよう。
英語と国語、どちらが重要か。
両方を習得できる道はある。
取り払うべきは心の壁だ。

正直言って、外国人の取材は苦手。
「もっと英語ができたら」と、痛感するのが、
正式なインタビューを済ませた後。

普段は、取材後のささやかな会話から相手の本音を聞き出したり、
人となりを理解したりするが、相手が外国人だとうまくいかない。

5歳の娘をアメリカの保育園に約1週間、預けたことが。
初日の夕方、迎えに行くと、娘の目は真っ赤に腫れ、
声はガラガラ。
英語がわからないので一日中、部屋の片隅で泣き叫んでいた。

翌朝、「絶対行きたくない」と言い張る娘を保育園へ連行。
しがみつく手を振り払って、保育園を後にした。

ところが夕方、娘の様子を見ると、
笑顔で友達と遊んでいるではないか。
「あしたもここに来たい」。
娘なりに、一生懸命に意思疎通の努力をした。
子どもの順応性に驚かされた。

語学教育には、いろんな意見がある。
「外国語より国語が大事」、「幼少期から徹底した英語教育をすべき」
そんな論争を続けている間も、地球は回り続け、
世界と自分の距離はいや応なく縮まっている。

多感な時期にいろいろな国・地域で、多様な価値観を肌身で
感じることが重要。
高校無償化につぎ込む予算を、留学費用や外国人教師の採用に
充てることを考えてもいいのではないか。

外国人に、日本の文化や日本語を教える活動も強化すべき。
外国語ができないことで、今の若い人たちが将来、
損をするような事態は避けたい。
外国人を取材するたびに、そう思う。

http://www.nikkei.com/news/topic/article/g=96958A9C93819596E3E6E2E4E48DE3E6E2E7E0E2E3E2869087E2E2E2;q=9694E3E5E2E7E0E2E3E2E0EAE6E5;p=9694E3E6E2E7E0E2E3E2E0E7EAEB;n=96948D808D9F9B80939B8D8D8D8D;o=9694E3E2E2E7E0E2E3E2E0E2E7E3

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