2010年8月12日木曜日

8割がビタミンD不足 介護施設入所の高齢女性 転倒、骨折の原因にも 長寿医療研が調査

(2010年7月29日 共同通信社)

特別養護老人ホームなどの介護施設で暮らす
女性高齢者の8割が、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足、
自宅で暮らす人に比べ、血中濃度も半分程度と低いことが、
高齢者医療を研究している独立行政法人国立長寿医療研究センターの
原田敦・先端機能回復診療部長らの調査で分かった。

カルシウムの吸収を促し、骨の形成を助けるビタミンDの不足は、
骨折や転倒の原因、骨折したことがある高齢者には不足傾向。
太ももの付け根近くの骨折がもとで、
歩行困難から寝たきりにつながる人も多い。

原田部長は、「ビタミンDの取りすぎは良くないが、
干ししいたけなどの食品やサプリメント、日光浴などで補う方がいい

対象は、愛知県内の特養や介護老人保健施設、
認知症グループホーム計46施設に入所する女性435人。
寝たきりになっていない人たちで、平均年齢は86歳。
ホルモンバランスの影響で、男性よりも骨がもろくなりやすい、
調査対象は女性とした。

原田部長によると、入所女性の血液中のビタミンD濃度は、
1ml当たり平均16・8ng。
8割近くが、ビタミンD不足とされる20ng未満。
国内外の研究では、自宅で生活する70~80代女性の平均値は
20~30ng程度、これも大きく下回っていた。

同部長は、入所女性の方がビタミンDの血中濃度が低い
原因について、「もともと運動量や栄養維持機能が低下している
人たちが、入所後にさらに悪化している

ビタミンDは、食事から摂取され、日光を浴びると皮膚で合成される。
欧州では、日照時間の長い夏に転倒事故が少なくなることが知られ、
過剰摂取を続けると高カルシウム血症などの危険も。

※高齢者の骨折

長年の生活習慣などにより、骨の密度が低下し、
スカスカになり骨折しやすくなる、骨粗しょう症などによるものが主、
大半を女性が占める。
近年、太ももの付け根近くの骨折が目立ち、脳卒中とともに
寝たきりの大きな要因に。
寝たきりの人が認知症になるケースも多く、
骨折予防の重要性が指摘。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/29/123427/

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