(2010年7月25日 読売新聞)
iPS細胞(新型万能細胞)には、がん化しやすい性質があり、
再生医療の実現の障害になっていたが、
慶応大の岡野栄之教授と京都大の山中伸弥教授らは、
がん化しにくい細胞を選んで、脊髄損傷を治療できることを、
マウスの実験で確かめた。
岡野教授らは、マウスやヒトのiPS細胞を使って、
脊髄損傷で歩けなくなったマウスの治療実験に成功。
しかし、治療後にがん化するマウスが多いのが課題。
岡野教授らは、iPS細胞には、神経のもとになる細胞に
きちんと変化する系統と、変化しきれない系統があることを
新たに突き止めた。
きちんと変化する系統を、細胞表面に現れるたんぱく質を
調べることで、見分けることに成功。
こうして作った安全なiPS細胞を、体外で神経のもとになる
細胞に変化させ、いったんマウスの脳に移植し、
がん化しないことを確かめた。
背骨の折れたマウスに、この細胞を移植すると、
正常な神経細胞の組織ができ、機能も回復した。
安全でないと評価されたiPS細胞で治療を行ったマウスは、
がんができて失敗した。
岡野教授は、「人間のiPS細胞も、同様と考えられる。
事前に細胞の性質を十分に確かめれば、臨床応用できるだろう」
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/7/26/123291/
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