(サイエンスポータル 2010年7月29日)
タンパクは、構造を変えることでさまざまな機能を
発揮することが知られているが、この「構造の揺らぎ」には、
タンパクを取り巻く水が決定的な役割を果たしていることを、
日本原子力研究開発機構などの研究チームが明らかに。
タンパクの表面には、通常の水とは異なる性質を持つ
水和水が取り付いて、タンパクの働きに大きな役割を果たす。
日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門の
中川洋研究員と奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科
の片岡幹雄教授の研究グループは、研究用原子炉を用いた
中性子散乱実験による観測データとコンピュータによる計算結果を
照らし合わせる手法で、水和水とタンパク機能との関係を調べた。
この結果、タンパクを取り囲む水和水の量が一定以上に増え、
タンパクをかごのように取り囲む状態になると、
その水和水ネットワークの揺らぎが、タンパクの構造の揺らぎを
誘導することが分かった。
今回の成果は、水も含めた酵素活性機構の解明や、
水和水や揺らぎに着目したこれまでにない創薬設計のほか、
食品の腐食防止などへの応用も期待できる。
http://scienceportal.jp/news/daily/1007/1007291.html
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