(2010年8月3日 毎日新聞社)
太極柔力球というスポーツがある。
どんなスポーツ?
太極拳と球技が一つになった感じ?
日本太極柔力球連盟が、大阪市中央体育館で開いている教室に参加。
中高年の女性たちがラケットを使い、白いボールを巧みに受け止める
姿は、まるでフライパンを操っているようにも。
この日のメンバーは、40~70歳代が中心の女性約20人。
Tシャツにトレーニングパンツのラフな格好。
講師は、鄒力(ゾウリー)さん(50)と青木恵子さん(46)。
私もラケットとボールを借りた。
直径約25cmのラケット面には、ラバーが張ってあり、弾力がある。
直径約7cmのボールは、重さ約50g。
遠心力を感じやすいよう、中に砂が入っている。
ラケットとボールを使い、準備体操から徐々に難度を上げていく。
ボールを手に持って、体を伸ばしたり、縮めたり、
上半身を左右にひねる。
「ボールの重さを感じてください」と青木さん。
ボールをラケットに乗せたまま、振り子のように左右に振ったり、
大きく1回転させたり。
ボールが、ラケットからほとんど離れないのが不思議。
私も挑戦。
見た目は優雅だが、やってみるとなかなか難しい。
何度もチャレンジして、ようやく左右にラケットを振れたが、
ちょっと目を離すと、ボールはたちまちあらぬ方向に飛んでいく。
注視していなくても、ボールをコントロールできるように。
「1回転は、バケツに水を入れてぐるぐる回す要領」
青木さんに教えられ、やってみる。
「(水が入っていたら)すっかりびしょびしょですね」と笑われてしまった。
他のメンバーは、私が初歩でつまずいている間も
どんどん技をこなしていく。
ラケットを使い、片足を上げてまたの下にボールをくぐらせたり、
右から左へ腰の後ろにボールを回してキャッチしたり。
みやびやかな中国音楽に合わせて、みんな楽しそう。
「イー、アール、サン、スー(1、2、3、4)」、鄒さんの掛け声。
2人1組で、ボールを打ち合う練習。
初め一つだったボールが二つに増えると、
見ているこちらまで目が回る忙しさ。
やり始めると、つい夢中になってのめり込んでしまう。
太極柔力球には、そんな魅力がある。
「リラックスできる」、「肩凝りがなくなった」、
「おなかが引っ込み、バストラインがきれいになった」----。
富山市で太極拳を教える児玉さちこさん(60)は、
「年を取って、ひざを痛めた人たちも取り組みやすいスポーツ。
私が身につけて、地元の人たちに提案していきたい」
◇打ち合う「競技」も
太極柔力球は、太極拳の円運動を基本に、90年代に中国で考案。
バランス感覚や集中力が磨かれ、肺活量の維持に結びつく。
1分間に、ウオーキングの約1.3倍のカロリー消費が期待。
紹介した基本動作は、「演舞」と呼ばれ、脳梗塞などのリハビリや
障害者スポーツとしても注目。
バドミントンと同じコートでボールを打ち合い、
点数を競う「競技」も行われている。
日本太極柔力球連盟(鄒力代表理事)の定期教室は、
大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山で多数開講。
毎日文化センター(大阪市北区、電話06・6346・8700)にも教室。
体験、見学は随時。料金は教室により異なる。
問い合わせは、同連盟(電話072・236・8305)。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/8/3/123603/
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