(東海新報 8月26日)
大船渡市で進めている新大船渡魚市場建築工事は、
難作業とされていた埋め立て部分での基礎工事が、
今月末で完了する見通し。
今後は、荷さばき所の床となるコンクリート打設が行われ、
10月以降、柱や梁などの設置に入る予定。
工期は来年3月まで、市では工事の進ちょく状況を見据えながら、
12月までに最終的な判断を固めたい考え。
新魚市場は、県が大船渡漁港広域漁港整備事業として、
岸壁建設や用地造成を行った敷地内に、市が中心となって建設。
築40年以上が経過、老朽化が進む現魚市場に代わる施設を
整備することで、衛生管理の高度化や水揚げ増強、
地域活性化が期待。
基礎工事では、敷地内の広範囲を掘削し、打設した杭上に
「フーチング」と呼ばれる杭や柱などをつなぐ基礎の一部や、
地中梁を整備する必要。
海水が浸透しやすい土砂が多く含まれ、予想以上に浸透率が
高いことが着手前に分かり、2月に開かれた市議会臨時会で、
変更承認議決を得た。
建築工事費は、設計変更の結果、当初より約3億4000万円増え、
46億4800万円。
3月、特殊な井戸とポンプを使った水位低下工法が本格化。
海水侵入を防ぐ矢板を二重にする施工も行った結果、
埋立地内の水位は平均で80cm低下。
想定した水位までは下がらなかったため、地中梁の形状変更や、
海水侵入を防ぐ鋼製型枠の導入などで対応。
「難工事」の問題点を克服しながら、作業を進めてきた。
結果、地中梁やフーチング整備などの基礎工事は、
今月中に完了する見通し。
ポンプによる水位低下策も終了。
すでに一部で始まった地中梁の間に土砂を埋め戻す作業や、
荷さばき所の床となるコンクリート打設完了は、9月末を見込み。
10月以降、柱や梁といった〝立体的”な整備が始まる。
県外の工場で製作された柱などが運ばれ、現地で組み立てる方式。
工期は、今年2月の時点で当初計画よりも6カ月延長、
来年3月25日まで。
設計変更した3月以降も、新たな改善策に迫られるなど、
一部関係者から遅れを懸念する声。
市魚市場建設推進室では、「ほぼ順調に整備は進み、
工期内完成に向けて努力しているが、今後の天候などによって
工程が左右されることも。
現在、全体的な施工計画を精査している最中で、
12月議会をメドに、最終的な方向性をまとめたい」
現在整備している荷さばき場や管理事務所の完成後は、
現魚市場施設を解体。
跡地に、サンマ水揚げなどに対応する南側岸壁を整備する予定、
完成は24年度中。
http://www.tohkaishimpo.com/
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