(読売 8月20日)
1人に1台割り当てられた顕微鏡を使って、花や微生物を観察、
屋外の流水実験装置では、浸食の様子を見る。
徳島県阿南市科学センターで行われた、小学校の理科の授業。
指導するのは、定年退職した理科の先生たち。
同センターは、鉄筋一部3階建て、延べ床面積2754m2。
理科学習などに使う「体験館」と、口径113cmの大型望遠鏡がある
「天文館」がある。
通常の博物館と違い、小中学校の理科の授業ができるよう、
展示物や機器などが工夫。
同市では、市町村合併前の那賀川町だった1997年から、
全小学校の4~6年生を対象に、同センターを拠点とした
理科学習を行ってきた。
今年度も、送迎バスの費用400万円を市が負担、
市内22小学校の児童が、学級単位で年間約100日通う。
指導員は、団塊の世代以上の元中学校理科教師3人。
最年長は、館長代理の山川茂則さん(70)。
研究員や学芸員とともに、施設を使って授業や教材の
研究開発をし、今年度は、新学習指導要領の授業案作りに協力。
この日、訪れたのは、同市立羽ノ浦小学校5年2組の29人。
山川さんら指導員が授業を行い、
担任の吉田玲子教諭(53)は補助役に。
縦10m、横1・5mの流水装置を使った浸食実験で、
子どもたちは、「カーブの外側が削れていく!」と、
川の蛇行の仕組みを実感していた。
センターを利用した小学校教師に行ったアンケートでは、
「丁寧な指導で理解が深まる」、
「教師側にも発見があった」と好評。
山川さんは、「大型実験装置とともに、
指導員の経験がセンターの魅力」と胸を張る。
「まず実験ありきでは、子どもは興味がわかない。
なぜという好奇心を大切に」
杉並区の済美教育センターで開かれた「授業塾」。
講師を務める元理科教師の松岡正子さん(61)が、
7人の小学校教員に呼びかけた。
松岡さんは、区の理科巡回指導員として、区内の小中学校を回り、
理科室の器具の配置や授業について助言。
授業塾は、若手が学べる機会が少ないとの松岡さんの指摘により、
同区が今年度から始め、2月まで計8回を予定。
松岡さんは、実際の授業では時間配分や失敗しやすい点を考えること、
電気回路のショートによるやけどなど、安全に気を配ることも注意。
高井戸東小の満留友樹教諭(27)は、
「実験の経験が少ないので、勉強になった」と満足。
「若手に伝えたいことは色々あります」と松岡さん。
ベテランならではの細かな心遣いで、現場を支える。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20100820-OYT8T00176.htm
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