2010年8月30日月曜日

メンデルの法則 優性遺伝子から「劣性」抑制物質…奈良先端科学技術大学院大

(2010年8月19日 読売新聞)

両親から受け継いだ遺伝形質のうち、片方だけが子に表れる
「メンデルの優性の法則」が起きる新たな仕組みを、
奈良先端科学技術大学院大のチームが、植物の研究で解明。

優性遺伝子が、劣性遺伝子の働きを抑える物質を作り出して
優位に立っている。
19日の英科学誌ネイチャーに掲載。

優性の法則について、機能が一部欠損している遺伝子が
劣性になる例は多く報告。
アブラナ科植物の自家受精を防ぐための遺伝子では、
劣性は、優性と機能の違いはないのに、形質が表れない。
高山誠司教授らは、劣性遺伝子の働きを調整するスイッチ部に、
「メチル化」という化学変化が起きて、働かなくなる仕組みを見つけ、
2006年に報告。

樽谷芳明研究員(現・国立遺伝学研究所助教)らと研究を進め、
詳しいメカニズムが今回、判明。
優性遺伝子に隣接する遺伝子から、「低分子RNA」が作られ、
劣性遺伝子のスイッチ部に取り付くことで、メチル化を誘導。
劣性遺伝子の働きが1万分の1以下に抑えられ、
形質が表れないことを確認。

高山教授は、「低分子RNAを操作することで、
有用なのに表れない劣性遺伝子を働かせたり、
不要な優性の形質を抑えたりでき、
農作物の品種改良につながるだろう」

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/8/20/124280/

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