2010年9月4日土曜日

メークが進化、スプレーに 触れずに可能、医療も注目 広がるかエアブラシ

(2010年8月24日 共同通信社)

模型などの塗装に使われるスプレーの一種、
エアブラシがメークの世界でも注目。
肌に手を触れずに、化粧品をむらなく塗れるという特徴から、
ファッションにとどまらず、傷あとのカバーなど
医療分野へも関心が広がっている。

東京ビッグサイトで、今年5月に開催された美容の総合見本市。
大阪のエアブラシメーカー「エアテックス」が主催した
メーク講座には、80人以上が集まった。
化粧水と乳液から始まってファンデーション、チーク、
肌に描いた花の模様まで、ほぼエアブラシだけで完成。
参加者から驚きの声が上がった。

エアブラシは、圧縮した空気の力で塗料を霧状に噴射する。
同社によると、もともと写真修整用器具として開発されたが、
きれいなグラデーションを描けるため、絵画や模型の塗装によく使われる。

ヘアメークの出居沙苗さん(35)によると、
これを化粧に使ったのは、米国が最初。
ハリウッド映画の特殊メークに利用されていたが、
1990年代に一般のメークに転用。

日本で注目されたのは、ここ数年。
背景にはテレビ、映画などのデジタル高画質化がある。
「エアブラシは、液状のファンデーションを薄く均一に
吹き付けることができるため、高画質でもむらが見えにくい」(出居さん)。

ショーの現場では、モデルの脚に暗い色を吹き付けて細く見せたり、
腹筋が割れているように筋を入れたり、といった使い方も。

ブライダル関係者も期待を寄せる。
広い範囲に素早く吹き付けられるうえ、化粧崩れもしにくいため、
背中が大きく開いたウエディングドレスにも向くし、
肌に直接レースやアクセサリーのような模様を描くことで、
"変身"もできる。

実際に体験した女性は、「肌に触られないから、
他人に化粧してもらうことに慣れていなくても、緊張せずに済む」

触らないという特徴は、やけどや傷のあとを目立たなくするための
医療メークの分野でも注目。
医療メーク指導者の育成に取り組む「日本パラメディカル協会」
常任理事の牧野エミさん(52)は、「肌への負担が少なく、
専門の化粧品を使えば、入浴しても落ちない。
数回の講習で、患者さんが自分でメークできるようになる」

空気を圧縮するコンプレッサーは、小さいものでも1kg近くあり、
持ち運びが不便だという課題も。
メーク法を指導できる人材もまだ少なく、
一般ユーザーに広がるには時間がかかりそう。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/8/24/124413/

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