2010年9月4日土曜日

太陽光 反射させ階下へ

(読売 8月23日)

21階建てビルの3階エレベーターホールに立ち、
ビル中央部を屋上まで貫く、吹き抜け空間を見上げる。
高さ約100mの最上部に、丸い鏡がずらりと並び、
太陽光を反射してギラギラと輝いている。

横浜市西区のオフィスビル「みなとみらいセンタービル」では、
吹き抜け空間と鏡を組み合わせて、自然の光を照明に使う
仕組みが本格採用。

「朝から夕方まで、太陽をフルに利用する。
吹き抜けの周囲にある廊下の照明電力を2割減らす効果がある」

建設を手がけた大成建設設計本部シニアアーキテクトの
峰村雄一さん(42)。
ビルが高層になればなるほど、吹き抜けを作っただけでは、
天窓からの光が下層階に届きにくくなる。

同社では、3種類の鏡を使って、各フロアに太陽光を行き渡らせる。
屋上の「1次ミラー」が、太陽の動きに合わせて自動的に角度を
変えながら日光を集める。

その光を反射させ、吹き抜け内へと送り込むのが「2次ミラー」。
吹き抜けの壁に下層階まで細長く張られ、
各フロアに光を届けるのが「3次ミラー」。

1次、2次ミラーは、直径1m20cmの円盤形、16台ずつ設置。
3次ミラーは、表面に細かな突起があるアルミ板、
建物内に柔らかい光を誘導。

この採光システムにより、照明電力が節約でき、
吹き抜けが屋内の熱気を逃がす換気塔の役割を果たし、
大型換気設備を設ける必要もなくなる。

屋上緑化やガラス窓の遮熱化などの工夫で、
ビル全体のCO2排出は同規模のビルより約3割少ない。
ビルは、環境に優しい建物を認証する横浜市の制度で、
最高のSランクを取得。

排出3割減は、様々な省エネ設備の組み合わせで実現、
吹き抜け効果が大きいとまでは言えない。
明るい吹き抜けを見ると、人は気持ちが安らぐ。
自然光を取り入れることは、省エネ効果以上の『効果』がある

今後も、太陽光の可能性を追求していきたい。

◆オフィスビルのCO2排出量

環境省などによると、08年度、オフィスビルなどが排出した
CO2量は2億3500万トン、1990年度比で43%増。
冷暖房や照明、オフィス機器が、ビルのエネルギー消費の約70%。
東京都は、排出削減のため大規模なオフィスビルなどを対象にした
排出量取引制度を、今年4月に導入。

http://www.yomiuri.co.jp/eco/saizensen/20100823-OYT8T00519.htm

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