2010年9月4日土曜日

アメフット:スタンフォード大コーチの河田剛さんに聞く(5)

(毎日 8月21日)

スタンフォード大学で、アメリカンフットボール部の
コーチングスタッフとして活動中の河田剛さん(38)。
今季の展望と将来の夢を聞いた。

「今季は勝負」と、河田さん。
スタンフォード大学攻撃陣は、エースランニングバック(RB)の
ゲアハートがNFL入りした以外は、
前季の主なメンバーがほぼ残っている。
クオーターバック(QB)は、プロからも注目される逸材で、
パス攻撃は向上が見込まれる。
しっかりとしたラン攻撃が確立できれば、
「全米王者だって、決して夢ではない」。
ラン攻撃の戦術も担当する河田さんにとって、腕の見せどころ。

河田さんの将来の夢は、日本人のNFL選手を育てること。
「フットボール界のイチローを、世に送り出したい」。
それには、まず米国の大学に在籍してプレーすることが大事。

「今まで日本のチームから、NFLに挑戦してきた選手たちには、
言葉や文化、日本のフットボールへの関心の薄さ、という壁が
立ちはだかっている」
「カナダ人のNFL選手は、現在10人ほどいるが、
ほぼ全員が米国の大学でプレーして見いだされた選手」。

国境を接する同じ英語圏の国で、体格や運動能力の差があまりない
カナダでさえ、自国の大学からNFL入りする選手はほぼ皆無。
日本から挑戦には、もっと大きなハンディがあるのは間違いない。

河田さんは、米国でプレーしたいと思っている高校生や大学生の
サポートが重要。
「例えば、ビザはどうするのか、スポーツ選手の奨学金制度は
どうなっているのか、学費以外の経済的な負担は、
など米国の大学スポーツ事情が具体的にわかっている
日本人はほとんどいない」

高校卒業後の若い選手が留学するなら、
当人だけでなく保護者の理解も不可欠。

河田さんが米国に在住して、いろいろな情報を収集して、
「意志を持った若いプレーヤーを応援したい」
「私自身が、大学のフルタイムのコーチにならなければいけない」。

全米大学体育協会(NCAA)の規則は厳格で、
フットボールの正規コーチは1チーム10人まで。
現在の河田さんの地位は、アシスタント。
スタンフォード大学は名門だけに、NFLでの選手・コーチ経験を持つ
人間が非常に多い。
河田さんも、NFLチームでのスタッフ、そして正規コーチと
ステップアップしていくつもりだ。

http://mainichi.jp/enta/sports/news/20100821mog00m050008000c.html

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