(毎日 2月21日)
競技力向上が先か、安定経営が先か。
「ニワトリと卵」のような難題が、Jリーグ入りした各クラブを悩ませている。
00年以後に参入した7クラブのうち、J1昇格を果たした
経験を持つのは横浜FCのみ。
多くのクラブで競技力、営業力強化が進まず、経営に影響を与えている。
昨年12月、半数近い選手を解雇したFC岐阜と徳島ヴォルティスが象徴的。
07年、J入会が承認され、昨季はJ2で戦った岐阜は、
JFL時代等を含めた累積負債が約3億円。
元日本代表選手で広島総監督、日本サッカー協会技術副委員長などを務め、
07年に就任した今西和男社長は、「強化を急ぎすぎた。
『イケイケドンドン』の、つけがまわった」
選手獲得に予算を割いても成績が上がらず、観客動員も伸び悩んだ。
昨年12月、Jリーグから5000万円の融資を受ける事態。
今季、開幕に向けて経営方針を一変。
「給料の高い選手はお引き取り願い、『安い選手』をそろえた」
新たに15選手を獲得、約450万円だった平均年俸を約300万円まで抑えた。
不況の影響もあり、ユニホームの「胸スポンサー」獲得のメドは立たない。
「最低、昨季のスポンサーは確保したかったが、減額や辞退も出ている」
今西社長は、地域貢献活動を重視する考え。
個人の寄付を、1口1000円で受け付ける「You&Me(夢)募金」を開始。
地元の理解を得て観客を増やし、入場料収入を確保する。
「その先に、チーム力がついてくるはず」。そう信じている。
大塚製薬をメーンスポンサーに持つ徳島は、身の丈経営を貫き、
08年度の収支も黒字になる見込み。
戦績は、J2昇格初年度(05年)の9位が最高、以後は3年連続最下位。
「屈辱的な現状」、「『金がない』という言い訳は通らない」など、厳しい声も。
今季開幕に向け、実績のあるGK高桑(横浜マ)、FW徳重(京都)らを獲得。
サポーターとクラブ幹部の意見交換会では、新田広一郎社長が
「目標は(J2の)6位以内」とぶち上げ、中田仁司強化育成部長は
「選手の質を高めるため、大きな補強をした」
サポーター側も、「これだけ期待できるのは初めて」と歓迎。
大補強が成績向上と観客増に結び付く保証はない。
新田社長もこう訴えた。「大不況の中で、(収入を)スポンサーだけで
賄うわけにいかない。入場者収入で選手を獲得するのが、健全経営の姿。
多くの皆さんに支えてもらいたい」
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◇昨季のJ2ホームゲーム1試合平均観客数◇
(1) 仙台 14080人
(2) 広島 10840人
(3) セ大阪 10554人
(4) 甲府 10354人
(5) 福岡 10079人
(6) 鳥栖 7261人
(7)★横浜FC 6793人
(8) 山形 6273人
(9) 湘南 5994人
(10)★熊本 5279人
(11)★草津 4215人
(12)★徳島 3862人
(13)★岐阜 3745人
(14)★愛媛 3704人
(15)★水戸 3044人
※★は00年以後にJリーグに参入したチーム
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/21/20090221ddm035050007000c.html
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