2009年3月6日金曜日

長谷川香料の長谷川徳二郎社長 「高齢社会で香料の役割が増す」

(日経 2月17日)

飲料、食品からシャンプー、リンスまで、香料は幅広い商品に使われている。
国内市場は、市場自体の成熟により伸び悩むが、
大手メーカーの長谷川香料、長谷川徳二郎社長は、
社会の高齢化に需要開拓のチャンスがあると説く。
今後の展開や狙いを聞いた。

——香料の国内市場は伸び悩んでいる。

「シャンプーやリンスなどに含まれる香料は、
人口の増加に比例して市場も伸びる。
人口の減少は、香料市場にとって痛手に。
市場の先行きについては、悲観的には見ていない。
団塊世代の大量退職で、日本は本格的な高齢社会に。
高齢者が増えれば、香料の役割もますます重要になり、
当社にもチャンスが訪れる

——その訳は。

「高齢者は、長く元気に生きたいと思っている。
健康を長く保つためには、糖分や塩分の摂取を抑えつつ、
いかにおいしい食事をとれるかが重要なテーマ。
香料をうまくつかえば、塩分を控えつつ、
塩味を摂取したような味を感じさせることができる」

——具体的にはどんな取り組みを考えているのか。

「病院の流動食向けの香料を、まず強化したい。
おいしく食べられる病院食をテーマに、味と栄養のバランスが取れた
食品向けの香料を積極的に供給していく」

——研究拠点も強化する。

「本社内にある食品向けのフレーバー研究所とシャンプーなどの
フレグランス研究所を移転。
川崎にある研究所に集約して、基礎研究から一貫した研究施設を整える。
高齢者のみならず、消費者の嗜好性が多様化する時代に対応し、
香料は多品種少量生産にシフトする方向にある。
研究所をまとめることで、製品開発面でも相乗効果を発揮したい」

——食に対する安心や安全を求める消費者の声が高まっている。

食品会社や飲料会社が、香料の品質に対する要求水準を厳しくしている。
海外でも、日本国内と同様の品質を保つため、
全社で約120人の専門組織を立ち上げた。
社是に掲げる『技術立社』を支えるために基盤を固め、万全を期したい」

http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090216.html

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