(日経 2月17日)
飲料、食品からシャンプー、リンスまで、香料は幅広い商品に使われている。
国内市場は、市場自体の成熟により伸び悩むが、
大手メーカーの長谷川香料、長谷川徳二郎社長は、
社会の高齢化に需要開拓のチャンスがあると説く。
今後の展開や狙いを聞いた。
——香料の国内市場は伸び悩んでいる。
「シャンプーやリンスなどに含まれる香料は、
人口の増加に比例して市場も伸びる。
人口の減少は、香料市場にとって痛手に。
市場の先行きについては、悲観的には見ていない。
団塊世代の大量退職で、日本は本格的な高齢社会に。
高齢者が増えれば、香料の役割もますます重要になり、
当社にもチャンスが訪れる」
——その訳は。
「高齢者は、長く元気に生きたいと思っている。
健康を長く保つためには、糖分や塩分の摂取を抑えつつ、
いかにおいしい食事をとれるかが重要なテーマ。
香料をうまくつかえば、塩分を控えつつ、
塩味を摂取したような味を感じさせることができる」
——具体的にはどんな取り組みを考えているのか。
「病院の流動食向けの香料を、まず強化したい。
おいしく食べられる病院食をテーマに、味と栄養のバランスが取れた
食品向けの香料を積極的に供給していく」
——研究拠点も強化する。
「本社内にある食品向けのフレーバー研究所とシャンプーなどの
フレグランス研究所を移転。
川崎にある研究所に集約して、基礎研究から一貫した研究施設を整える。
高齢者のみならず、消費者の嗜好性が多様化する時代に対応し、
香料は多品種少量生産にシフトする方向にある。
研究所をまとめることで、製品開発面でも相乗効果を発揮したい」
——食に対する安心や安全を求める消費者の声が高まっている。
「食品会社や飲料会社が、香料の品質に対する要求水準を厳しくしている。
海外でも、日本国内と同様の品質を保つため、
全社で約120人の専門組織を立ち上げた。
社是に掲げる『技術立社』を支えるために基盤を固め、万全を期したい」
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/interview/int090216.html
0 件のコメント:
コメントを投稿