(毎日 2月24日)
金融危機は、リーグに大きな影響をもたらしている。
Jリーグはいかに、危機を克服していくのか?
鬼武健二チェアマン(69)にインタビュー。
--不況がJに与える影響は?
「Jリーグも、いろんな意味で影響を受けるので対抗策を考えないと。
Jリーグの特徴は、地域に根ざした活動。
ファンにスタジアムへ足を運んでもらうため、何をすべきか考えるのが最大の施策」
--不況は優勝経験がある名門にも影を落としている。
「バックに大きな責任企業があるのはありがたい。
そこがおかしくなったら、クラブまでおかしくなるのではいけない。
自立して生きていける仕組みを作る必要。
10年までに、公式戦の年間総入場者数を1100万人とする
『イレブンミリオン』を達成しなければ」
--イレブンミリオン計画は07年にスタート。J2チーム数増も重なり、
06年は836万人だった入場者が、07年888万人、08年は913万人に。
「イレブンミリオンは、J1が70%、J2が50%の入りを達成すれば到達。
各クラブに協力してもらい、(見せかけの)数字を高くすることが目標ではない。
重要なのは、結果として経営体力がつくこと」
--経営体力のある会社と乏しい会社の二極化も進んでいる。
「マネジメント、監督のやり方によっては、小さなクラブが大きなクラブを
食うこともあるのがサッカーのおもしろさ。
長期間、安定した力を出すためには安定した財力が必要。
Jリーグは昨年、各クラブの担当者を欧州に派遣し、
スタジアムの勉強をしてもらった。学んだことを生かしてほしい」
--1月には、J2水戸の総括本部長兼営業部長に、
リーグで経営指導業務を担当した藤村昇司氏を送り出した。
「クラブとリーグの人事交流は、積極的に進めてきた。
クラブの人にはJリーグの仕事を覚えてもらい、Jリーグの人は地域で
ドロドロになって営業活動をしてこいと。人事交流すると、両方が強くなる。
水戸は、収入が3億円の状態がずっと続いている。
1億円はJリーグの配分金。
彼には、3年間で最高9億円の収入がある会社にしてくれと言っている」
--3年間で3倍?
「30億を90億に、と言ったらしんどいが、3億を9億にはできんこともない。
無理かもしれないが、高い志でやれば、新しいクラブの参考になる」
--将来の目標は。
「07年度、Jリーグ全31クラブ(当時)の総営業収入は約740億円。
広告料収入が約330億円、入場料収入は約150億円。
長い時間は必要だが、将来的に広告料と同等か、超える入場料収入がないと」
--地域密着はJリーグの強みでもある。
「最初の理念だし、これが一番重要。
地域のみなさんとの絆を強く、太くしていく。
サッカーから元気をもらった、と思ってもらえるリーグにしていきたい」
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◇おにたけ・けんじ
1939年9月、広島市生まれ。早大から62年にヤンマーに入社。
67年に監督に就任し、日本リーグ、天皇杯で各3回の優勝。
セ大阪社長、会長などを経て、06年にJリーグ3代目チェアマンに就任。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/24/20090224ddm035050006000c.html
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