(毎日 2月18日)
イングランド・サッカー協会のトリーズマン会長は昨年10月、
イングランドのクラブが合わせて約30億ポンド(約3900億円)の
巨額負債を抱えている。
近年、プレミアリーグは外国資本によるクラブ買収が相次いだ。
03年、ロシア人の大富豪アブラモビッチ氏がチェルシーを買収。
05年、米国人実業家のグレーザー氏がマンチェスター・ユナイテッドを、
07年、米国人のジレット、ヒックスの両氏がリバプールを買収。
「4強」のうち、国外の富豪に買収されていないのはアーセナルのみ。
高年俸を用意して世界中からスターをかき集め、
「世界最高のリーグ」と称されるまで成長したプレミアリーグ。
好況時に隠れていた借金依存度の高さが、
金融危機で改めてクローズアップ。
国際的監査法人デロイト社によると、07年プレミアリーグの負債は
前年比19%増の24億6900万ポンド(約3210億円)。
マンチェスター・ユナイテッドの6億500万ポンド(約786億円)、
チェルシーの6億2000万ポンド(約806億円)などが目を引く。
トリーズマン会長の発言は、負債が膨らみ続ける現状を警告、
ビッグクラブが破綻する可能性についても、「あり得る」と語った。
世界的な金融危機は、外国人オーナーの懐をも直撃。
資金繰りがつかなくなり、経営難に陥るクラブが続出。
英国ではリバプールや、アイスランド人のグズムンドソン氏が
オーナーのウェストハムが売却される可能性があるなど、
ロシア系フランス人オーナーが会長を務め、
身の丈を超えた大量補強が裏目に出たポーツマスなども、身売り話が浮上。
プレミアリーグは、10年から3シーズンのリーグ生中継(英国内)の
放送権の3分の2を、オーストラリア生まれの「世界のメディア王」、
ルパート・マードック氏が所有する「ニューズ・コーポレーション」傘下の
英衛星テレビ大手「BスカイB」が獲得。
英紙タイムズは、入札額が前回の3シーズンを上回る
16億ポンド強(約2100億円)に達し、巨額な契約の影で、
クラブレベルでは危機は着実に進行。
状況がより深刻なのは、プレミアリーグより注目度が低い
欧州他国のリーグという声も。
国際サッカー連盟のブラッター会長は、金融危機を「津波」に例えて
警鐘を鳴らした。
「まず影響を受けるのは、小さなクラブ。
そこから波が広がって第3波、第4波が襲ってくる可能性。
今、大丈夫だからといって安心はできない」
http://mainichi.jp/enta/sports/general/archive/news/2009/02/18/20090218ddm035050042000c.html
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